民家の店・宿

2012年7月10日 (火)

兵庫/キーワードは「交差点」 「篠山ギャラリーKITA’S」

Kitasdsc_0047■喜多俊之氏がプロデュース作品の発表の場に
 京の都から山陰・山陽に通じる要衝であった城下町丹波篠山は歴史と伝統文化の町である。重伝建に選定されている町並みや武家屋敷など見どころが多く、観光客で賑わっている。町家を再生した「篠山ギャラリーKITA’S」はその町並みの「交差点」にある。オープンしたのは2010年春。
 この町家をめぐるストーリーは2008年8月に突然始まった。直近まで漬物屋を営んでいた町家が解体され、ハウスメーカーの住宅が建つとの情報が流れた。景観上重要なロケーションにあったため、市や関係者は保存すべく動いたが、市は財政難を理由に退き、危機感を抱いた篤志家が買い取った。市民ボランティアで古民家再生事業を進めるNPO 法人が、活用してくれる人に売却することを目的に修理することになった。着手して早々、篠山の地域活性化を支援している世界的に有名な工業デザイナーの喜多俊之氏(JMRA特別会員)が、日本の伝統工芸の発展を願ってプロデュース作品のギャラリー&ショップにと購入を決断された。

Kitasdsc_0045_edited■過去と未来、都市部と田舎を結ぶ
 この町家は江戸期の創建で、現在の姿になったのは昭和初期。修理は建物が最も輝いた時代に戻すことから始めた。喜多氏は「交差点」をキーワードにこの建物を読み解き、ビジョンを語った。過去と未来、都市部と田舎、出会いなどを、町家に込めることでポテンシャルを高めることになった。
 1階のギャラリーは喜多氏が40 年にわたって取り組んできた伝統産業を支える職人たちとのコラボレーションで生まれた作品をはじめ、各地の作家達による作品の発表の場であり、展示即売もしている。ギャラリーの奥にはティールームがあり、お奨めは丹波篠山の銘菓の緑茶セット。2階はセミナールームで、時々のテーマでセミナーが行われている。

場所兵庫県篠山市二階町9-1
アクセスJR福知山線篠山口駅からバス(春日神社前下車)
電話 079-506-0229
料金コーヒー350円、和菓子セット500円
営業 10:00~18:00、定休日 水曜日
情報提供『民家』82号 取材:兵庫県・正会員 才本謙二