民家の店・宿

2016年7月 1日 (金)

栃木/ゲストハウス 「松香庵」

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■趣ある民家に手軽に宿泊
 足利市のほぼ中央、昭和初期の趣を残す閑静な街並みの中に、国登録有形文化財・松村記念館(大正14年築)があります。その敷地の一角に松香庵(明治期築)があります。松村記念館(主屋)と並んだ佇まいは当時の姿を留めているようです。
 松香庵ご主人の松村和久さんは、空き家になっていた民家の活用策として、旅館業の許可を受け、ゲストハウスを開設されたそうです。

2_4宿泊は主に女性対象のドミトリーで、5人まで宿泊でき、2段ベッドが2台とソファーベッドがあります。交流スペースでくつろぐこともできます。食事な
しの素泊まりで、共同の炊事場とシャワールームはありますが、路地裏を散策して気に入ったお店で食事をしたり、近くの銭湯「花の湯」を利用してもよいでしょう。

3_2■ゲストハウスを起点に街並みと史跡めぐりを楽しむ
 松香庵を出ると、石畳が続いています。石畳の歩道に面した商店街は、時代を感じさせる独特の店構えをしています。和服で街歩きできるように、昭和初期に全国で流行した足利銘仙柄の和服を貸し出すお店もあります。昔と今の調和のとれた街並みと石畳の歩道には、和服姿と下駄の音がよく似合います。2分程度歩いたところには、日本最古の学校「史跡足利学校」と国宝「鑁阿寺」があります。
 松香庵に宿泊された方は、館主のご好意により松村記念館を観ることができます。そこでは、松村家にかつて歴史上の偉人といわれる方が多数立ち寄ったことが分かります。私は、この当時は個人の尽力により街をつくっていったのだなと、思いを巡らせました。
 松香庵は、人と街とを一体で楽しめるゲストハウスです。

場所 栃木県足利市大門通2381番地
交通 JR両毛線足利駅より徒歩8分
東部伊勢崎線足利市駅より徒歩10分
問合 電話: 0284-41-2646
料金 基本料金(1人1泊、素泊まり): 2,600円
(夏季・冬季、時期により冷暖房費として1人200円)
参考 主に女性対象、諸条件を付して男性も可
ホームページ http://shokoan.net/top.html

(取材:栃木県・正会員 新井和勝)

2015年1月18日 (日)

栃木/「お箸でフレンチ・向日葵」

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■肩ひじ張らない、フレンチ・レストラン
 旧日光街道沿いの農家と馬小屋、そして大谷石の石蔵は、長い間使われず放置されていた。当代オーナーによって、この明治中期の主屋と石蔵を「古民家レストラン」として現地再生されたのが2006年である。

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 シェフの村川さんは、横浜迎賓館や横浜ロイヤルパークホテル等の料理長を務めるなど輝かしい経歴の持ち主であり、生まれ育った栃木に戻った。
 お店のコンセプトは「おもてなしは一流でも、本格的フランス料理を気軽に味わってほしい」と「お箸で食べられるフレンチ」。テーブルには、ナイフとフォークとともに「お箸」が置かれている。また、栃木県ならではの地場の食材の数々が存分に生かされているが、フロアマネージャーの高橋さんは「素材も大切ですが、もっと大切なのは、お客様が笑顔になってくれること」と、にこやかに笑う。

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■古民家の中で味わうフレンチ
 大谷石を敷き詰めたアプローチを通り、元玄関を改修した店の入口から一段上がった大谷石の床を通り、向かって右側は土間だったスペースで、あらわし天井に弁柄漆喰の壁が美しい空間。左側はさらに一段上がった元座敷と広縁が一体化されたあらわし天井の広いスペース。南側にあった出書院も違和感なく西側に移設され、懐かしい雰囲気の透き硝子の入った掃出し窓越しにきれいに整った主庭が見える。店内は立食パーティーも可能なように、鴨居を一段高く設え直してあるが、建具は元からのものを残して下駄を履かせて再利用している。ステンドグラスや間接照明などの演出で、お洒落な雰囲気と日本の伝統的な美しさの中でフランス料理を堪能できる「古民家レストラン」である。

場所 栃木県小山市神島谷5-5-22
交通 小山駅より南へ車で10分弱(旧日光街道沿い)
問い合せ 電話:0285-22-3621
メニュー ランチコース2,000円~
ディナーコース3,500円~
営業時間 11:00〜14:00、 17:00~21:00
定休日 水曜日

(取材:栃木県・正会員 大竹喜世彦)

2012年7月10日 (火)

栃木/大谷石造りのかわいい石蔵 カフェ「café SAVOIA s-21」

Dsc_0008_edited_2■石蔵に一目ぼれしてカフェを開店
 宇都宮市内の大谷町に大谷石の産地があることから、周辺には大谷石造りの蔵が多く見られる。カフェ・サボイアもその一つで、オーナーのご夫妻がたまたま出会って一目ぼれし、借り受けて内部を改修し、2年前に開店した。
 築60 年、間口3間、奥行2間、2階建てのこぢんまりとした石蔵で、商家の物置として使われていた。
 外観は、大谷石特有のやわらかい肌の明るい壁面。そして観音開きの窓周辺のデザインがなんともかわいらしい。
 内部は1階がカウンター席と厨房、2階が椅子席。2階は蔵の割に階高があり、小屋組が照明を受けて美しい。妻側の壁を一面に鏡張りとしているので、広く感じる。オーナー手持ちの年代物の家具が置かれ、趣味の小物類が各所に飾られていて楽しい。全体がレトロな雰囲気である。

Dsc_0022■大人がゆっくりとくつろげる空間
 カフェは、JR宇都宮駅から徒歩で5分ほど、駅から近いわりに静かな界隈にひっそりと佇んでいる。
 ジャズに耳を傾け、香り高いコーヒーを味わう。リラックスして本を読む女性のお客さんも多い。料理やオリジナルケーキも美味しいと評判だ。口コミ評判は広がり、リピーターが増えているという。
 オーナーのご夫妻は地元出身。夫人は「この石蔵と出会えたのは奇跡です。こういう建物が残っていてくれたことに感謝しています。“宇都宮の宝”だと思うので大事に使っていきたい」と語ってくれた。カフェ・サボイアは、2010 年度の第14回「宇都宮市まちなみ景観賞」を受賞している。店名のSAVOIA s-21は、宮崎駿のアニメ『紅の豚』に登場する飛行艇の名前からとっている。ご主人は大の宮崎駿ファンだ。

場所栃木県宇都宮市今泉2-8-5
交通 R宇都宮駅より徒歩5分
電話028-666-7860
料金 コーヒー470円、ケーキセット800円~、ランチ1,000円~
営業 11:00~18:00 定休日:月曜日(臨時休業あり)
情報提供『民家』82号 取材:東京都・正会員 清沢和弘