民家の店・宿

2017年4月 1日 (土)

大分/カフェ 「カフェ・ド・ランブル」

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▪️どこか懐かしい蔵のカフェ
 宮崎太陽銀行(中央通り)横の細い路地を一歩入ると、カフェ・ド・ランブルの小さな蔵がひっそりと建っている。蝋燭屋の材料を保管していた1896(明治29)年築の蔵を借りて、カフェを始めて今年で41年目になる。
古い木戸をガラリと開けると、注文を受けてから豆を挽き、ひとつひとつ丁寧にコーヒーを入れるご主人と、デザートを手作りする奥さんとのカウンター越しの会話を楽しむ常連客たちがずらりと並んで座っている。白熱灯のランプに照らされたアンティーク家具や柱時計が並ぶ店内は、昔にタイムスリップしたような非日常のセピア色の世界だ。2階は畳敷の個室でグループや家族連れに人気があり、注文した飲み物が木箱に入って滑車で2階に上がってくる「しかけ」も2階利用客の楽しみだ。

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▪️銀座のカフェ「ランブル」の伝統を継承する
 奥さんが若い頃、有名な銀座のカフェ・ド・ランブルで2年間アルバイトしていた縁で、結婚後に地元の佐伯でカフェを開業するにあたって、銀座の関口オーナーに何度も相談をしたという。ハードよりソフトを大事にする関口さんの考え方に共鳴し、「ランブル」の名前とともに哲学も受け継いだ。そんな伝統のコーヒーに相性抜群なのが手作りシュークリーム。口コミだけで県内各地や県外から客が訪れるのも納得だ。

場所 大分県佐伯市中村西町1-28
交通 JR佐伯駅から車で5分、東九州高速道路の佐伯IC から車で10分
電話 0972-23-6823
メニュー 世界各地のコーヒーが400円~450円、シューク リーム250円
ジャム付きパン300円、季節のケー キやアップルパイ
チョコレートケーキ、チーズ ケーキ250円~400円、ピザ800円
営業時間 12時頃から21時頃まで
定休日 木曜日

(取材:大分県・友の会会員 岩佐礼子)

2015年4月14日 (火)

千葉/カフェ&レストラン「柚庵」

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▪️文化的なイベントや地域の交流の場に
千葉県の外房、上総一ノ宮の一駅先の東浪見駅から徒歩1 分、敷地 3,200 坪の中に、長屋門カフェ、蔵ギャラリー、主屋、 オープンイベントスペース、日本庭園があります。
建物は文久元(1861)年に建てられ、代々網元、造り酒屋と して受け継がれてきました。地元でも当時の繁栄を語り継ぎ、 地域のランドマーク的存在でしたが、造り酒屋はすでに廃業 し、この建物を守り続けた最後の相続者の方も高齢となり、 手放さざるを得なくなりました。
そこに「いつか文化的なイベントや地域の交流の場として活用できるコミュニティスペースを作りたい、そして故郷でもある外房を少しでも活性化させたい」と長い間思い、その場所を探し続けていた現オーナーと出会い、再び蘇ることになったのです。

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▪️昭和レトロ風のカフェ &レストラン
カフェ&レストランは、 長屋門の脇の部屋を少し広げて、内 装を建具や小物で昭和レトロ風にし 、その先は中庭風のオープンテラス。すぐ隣には蔵をその まま生かした貸しギャラリーがあります。大きな主屋は手入れが良かったせいで、築150年経っ たにもかかわらずしっかりしており、結婚式も行われました。 イベント関係者が宿泊できる設備も整えつつあります。

3  広々とした敷地には芝生が敷かれ、近隣のお店や個人が出 展できるイベントを開催するなど、人々の交流の場を提供し、 まさに昔の地域のシンボル的役割を復活させています。
メニューは、ランチが主で、ワンプレートのパスタと魚、肉 料理と、種類は少ないですが美味しいです。雰囲気をゆっくり 味わうには、お洒落なスイーツとコーヒーもどうぞ。

場所 千葉県長生郡一宮町東浪見 1611
交通 JR 外房線東浪見駅 徒歩 1 分
問い合せ 電話:0475-40-6300
メニュー ランチ 1,200 円~(4 月より新メニューになります ) ケーキ 600 円~、飲み物 500 円~
営業時間 10:30 ~ 19:00(夜は予約制)
定休日 月曜日

(取材:千葉県・正会員 安井啓子)



2013年10月10日 (木)

千葉/甘味喫茶・ショップ・ギャラリー「いなえ」

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■「佐原」の「佐」をほどいて「いなえ」 
 江戸時代から江戸との舟運により、「江戸優まさり」といわれるほど繁栄した佐原。しかし近年では、店を閉じたり空き家になる町家も見られるようになっていました。明治から昭和にかけて建てられた町家2棟、土蔵、洋館が中庭でつながる「いなえ」も一時期空き家でした。
 2007年から再生のための工事を始め、2011年3月には震災に遭い大変な被害を受けましたが、2012年7月に再生工事が完成。「記憶」をテーマに再生された庭の敷石には、土蔵の基礎部分に使われていた銚子石を敷き詰め、震災で落ちた古い瓦を使い、庭の風景の一部としています。

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 「佐…イナエ」から「いなえ」と名付けたお店は、甘味喫茶、ギャラリー、お土産、工芸品、雑貨などが楽しめます。

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■どこにいても風が通る心地よい空間
 道路に面した右側の甘味喫茶は、季節感のある甘味、飲み物、食事が落ち着いた空間で楽しめます。
 左側のセレクトショップには、江戸時代から続く老舗の「醤油」「ごま油」、職人の技が光る「お菓子」、農家の方が丹精込めて育てた「お米」、作家による「日々の道具」などが並びます。
 土蔵と洋館は、和と洋、暗と明という対照的なギャラリーとして企画展や音楽会、お茶会などが行われています。展示がなくても入ってみたい空間です。
 それぞれの建物からは、創建当時の職人の技、それを受け継ぐ再生のアイデアを存分に感じることができます。

場所 千葉県香取市佐原イ 511 
交通 JR佐原駅より徒歩10分
問い合せ 電話:0478-54-7575
料金 季節のあんみつ780円~
料金  おうどんとミニしぐれ丼セット1,100円
あわぜんざい(冬季)700円
営業時間 11:00~17:00
営業日 10:30~17:00
定休日 水曜日
情報提供 『民家』87号 (取材:写真 東京都・正会員 平野 薫)

2013年7月12日 (金)

千葉/和食の居酒屋「OSAKANA DINING もんしち」

Photo_3■江戸時代に建てられた建物で…
 千葉県茂原市にある「もんしち」は、店に入ると大きなケヤキの大黒柱が印象的です。
 今回の取材で260 年から270 年前に、この場所で茅葺き民家として新築されたものだとうかがってびっくりしました。自宅から近いこともあり、何度か利用したことがありますが、てっきり東北の民家を移築したものだとばかり思っていました(ごめんなさい)。建てた当時は庄屋さんで、建物の大きさは6間×10 間の60 坪です。

Photo_5 Photo_6  店内の通路を突き当たり曲がったりしながら座につくのですが、いつ行っても底知れない奥行き感があるのは、この60 坪という大きさゆえなのかもしれません。先代が40 年前に「割烹もんしち」をはじめ、現在では8代目の社長が若者にも人気の「OSAKANA DININGもんしち」として切り盛りしています。

■地産地消
 もんしちのお魚は、毎日外房の大原漁港から直送されます。肉や野菜は外房を中心に、千葉県内の食材にこだわっています。もんしちのおすすめのもう一つにくみ上げ豆腐があります。数種類の薬味とともにでき立てのほやほやを時間とともに店員さんたちが客席に運んでくれます。
 店主一押しの新鮮な刺身の盛り合わせと、きき酒師厳選のこだわりの銘酒で、江戸時代の雰囲気を味わってみてはいかがでしょうか。

場所 千葉県茂原市高師825 
交通 JR外房線茂原駅 南口 徒歩3分
問い合せ 電話:050-5798-7993
料金 コースメニュー 2,500円~ /1人
※4人~は予約が必要。
飲み放題:2時間 80種 1,500円/1人
100種2,000円/1人もお得です
営業時間 月~木・日 16:00~ 24:00(L.O.23:00)
定休日 月曜日(祝祭日の場合は営業、翌日火曜日休み)
金・土・祝前 16:00~ 01:00(L.O.24:00)定休日 無休
情報提供 『民家』86号 (取材:写真 千葉県・正会員 小林綾子)

2011年1月12日 (水)

千葉・勝浦/季節の料理と古民家の宿 「竹林奏」

Chikurin_76 ■ 築100余年の古民家を宿へ

千葉県南房総の勝浦市大楠。木立の中の小道を抜けたその先に、竹林に囲まれひっそりと佇む古民家の宿「竹林奏」がある。広々とした庭には芝生が、花壇には季節の草花が植えられ、散策が楽しむことができる。竹のそよぎや小鳥のさえずりに耳を澄ますと、この宿が「竹林奏(ちくりんそう)」と名づけられた理由を感じることができるのではないだろうか。
築100余年の主屋に入ると、大きな梁や柱をそのままに残した高い天井が目に入る。重厚な外観とは反して、開放的でありながら、迫力のある室内となっている。しかし購入時は傷みがひどく、全面的な改修をおこなったそうだ。その際にこだわったことは「できるだけ元通りに復元しつつ、使いやすいように改装する」ことだったとか。長い時を重ねた古色の味わいを漂わせながらも、水廻りやサッシは使いやすく改装されている。

■ 囲炉裏を囲んで食す、旬の炭火焼料理

Chikurin2_76 「竹林奏」の料理は、地元産のアワビや野菜、箸でも切れる和牛のヒレなど厳選した食材を使用し、四季折々に趣向を凝らした炭火焼のコースを堪能することができる。一品ごとに丁寧に提供される料理は、イタリアンシェフの経験者である店主のこだわりと心配りを感じずにはいられない。
こだわりの料理と空間でのおもてなしは1日2組限定。こちらで過ごす時は日常の喧騒から離れた贅沢な時間となることだろう。
「竹林奏」はそんな隠れ家的宿である。

場所千葉県勝浦市大楠791
交通JR勝浦駅より車で約10分
電話0470-77-1375
料金【宿 泊】1室2名で1泊2食 1名 ¥25,000 ~  ※1日2組限定
【ランチ】囲炉裏焼きコース¥2,940 ~
     ※完全予約制(3日前までに要予約)
ランチ営業時間11:30 ~ 15:00
定休日不定休
情報提供『民家』76号 東京都・友の会会員 信本和美

2010年11月11日 (木)

千葉・白里町/アートギャラリー「古屋敷」

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■3度目の改装でアートギャラリーに
千葉県JR大網駅から九十九里海岸方面へ車で10分。2000坪という広い敷地の中に建つアートギャラリーは豊かな自然の中にあります。この建物は、築250年余。この家は由緒ある家柄で、隣町の東金御殿に鷹狩りに来ていた徳川家康の鷹狩りの要員として召集されたとの記録が残されています。建物は、昭和初期に養蚕を始めた際に大きな改装を行い、それまで見えていた大きな梁が天井で隠されました。その後、1954年(昭和29年)には、それまでの茅葺き屋根を瓦に葺き替え、3度目に現在のアートギャラリーとして改装されました。

■どっしりとした空間に作品が生きる
ここ大網は、東京駅から特急で約50分、比較的都心からも近く、多くのアーティストが移り住む地域でもあります。オーナーの吉田さんは、その人たちが作品を展示できる場所として、ギャラリーをオープンされました。私が訪ねたときにはもうすでに、年内いっぱい個展のスケジュールで埋まっていました。常設展では、オーナーの奥様の吉田貞子さんの版画作品が壁いっぱいに飾られていました。古民家のどっしりとした空間の中に温かい作品がたくさん飾られていて、建物と芸術作品の両方を楽しむことができる心癒される時間となりました。

■ガイド
場所千葉県山武郡大網白里町下ヶ傍示60
交通JR大網駅から九十九里浜に向かって車で10分
電話0475-72-1328
ギャラリー利用芸術・文化活動を目的とした展覧会、個展、グループ等の利用
利用料照明代など必要経費 ※要相談
入場料無料
営業時間10:00〜17:00 定休日:月曜日
情報提供『民家』75号(千葉県・友の会会員二宮美千代)