民家の店・宿

2017年4月 1日 (土)

奈良/カフェ「郵便名柄館 TegamiCafe」

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▪️建物の歴史と変遷
 旧名柄郵便局は、1902(明治35)年に郵便取扱所として開設され、1975年に郵便局舎としての役目を終えるまで、激動の時代を見つめてきました。瓦屋根に羽目板貼りの洋風建築、そして縦長の窓を配した「逓信(郵政)建築」といわれるデザイン。玄関扉には「〒」マークがさり気なく配されていて、朱赤の郵便ポストが立った開局当時は、街の人たちの目を釘付けにしたのかもしれません。そんな旧名柄郵便局舎は、2015年5月に「郵便名柄館 TegamiCafe」としてオープンしました。郵便ファンや歴史愛好家向けの展示スペースも併設されています。

▪️名柄地区について
 周辺には江戸~明治期の民家や、室町時代の建物が残る長な柄がら※神社、全国各地の一ひとことぬしのかみ言主神の総本社の葛かつらぎ城一言主神社があります。また近くの名柄小学校敷地内では、古墳時代の豪族/葛城氏とみられる居館跡も見つかっており、付近一帯は歴史が深い土地柄であることも魅力の一つです。

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▪️大正ロマン風の内装と地元産野菜を使ったランチ
 地元で採れた野菜を使ったランチ(とってもおいしいです!)には、地元では有名な吐はん田だ 米まいというお米が使われていて、コーヒーの豆も産地や生産者のわかる自家焙煎豆です。コーヒーをいただきながら備え付け筆記具で旅の便りを書くのも情感を誘います。店内はアンティークの照明器具が使われ、天井や壁の木部もペイント仕上げ。民家というよりは大正ロマン風な喫茶店の雰囲気です。付近の散策とともにおいしい食事やコーヒー、ケーキなどをレトロな室内で楽しんでもらえると思います。

場所 奈良県御所市名柄326-1
交通 アクセス 駐車場あり。
最寄りの近鉄御所駅/またはJR御所駅からは
約3km離れているため、車のご利用をおすすめします。
電話 0745-60-8386
メニュー オリジナル切手が1 枚ついてくる「テガミコーヒー」550円
手づくりケーキセット750円、ランチ1200円
(コーヒーなど飲み物付き)
営業時間 11:00~ 16:00
定休日 火曜日・水曜日

(取材:奈良県・正会員  佐藤 仁)

2011年7月 4日 (月)

奈良/古民家民宿「木治屋」

Photo_5 Photo_6屏風岩
■奈良の秘境「曽爾村」
曽爾村は奈良県中部東端に位置し、170万年前から1万年前までの室生火山群が活動していた頃の痕跡がみられます。
奇怪な形の鎧岳(894m)、兜岳(920m)、200mの断崖絶壁の屏風岩などが見え(その下の山桜が絶景)、雄大なすり鉢状の茅場がある曽爾高原は、心をなごませてくれます。

■美しい村を次代につなぐ「木治屋」
Photo_2木治屋は先代(現当主の父)が農家型民家の行く末を案じ、建物の維持とまわりの景観を美しく保つようにと民宿を始めました。「温故知新」を玄関に掲げたのは、「成長した若者達が村外から帰ってきたとき、生まれ育った民家がなくなっていたのでは帰る気が失せてしまう」、「民家は決して快適空間ではなくても生活のバロメーターがわかる大切な空間であり、若者が自慢できるように守っていくことが大切である」という思いからです。
 村の祭り、獅子唄祭は毎年秋にあり、292年も続いています。民謡も幼い時から教え、文化の伝承に努めています。
 「祖父が建てた築130年の農家の歴史や、曽爾高原の野焼の手順のことも次代の人に継いでいってもらいたい」「これからの村おこしとして、「日本の美しい村」を全国に呼びかけ、手をつないでいきたい」とご主人は熱く語ってくださいました。
 料理は山里らしく川魚や山菜が中心ですが、清楚に盛りつけられ、やさしい味付けでした。

              名阪国道針 I.C.より車で 30分
場所奈良県宇陀郡曽爾村伊賀見 2126-2
交通近鉄大阪線名張駅から曽爾行きバスで 25分
電話0745-94-2551  http://kijiya-kominka.com
料金1泊2食 大人 8,500円 小人 7,500円
定休日不定休
情報提供『民家』78号 取材:大阪府・正会員 小原公輝

2009年7月 2日 (木)

奈良・奈良市/蚊帳・蚊帳地製品「吉田蚊帳店」

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■ 奈良町に残る町家の蚊帳店

吉田蚊帳店は古い町家をたくさん保存する奈良町(昔は元興寺境内であった場所につくられた町)の一角にある。写真の主屋は築100年余り、店に使われている蔵は130年ほどのもの。創業は大正10年というから、主屋ができてしばらく経って蚊帳製造を始められたのでしょう。ご主人の吉田氏は三代目とのこと。
蚊帳にはその世話になった人も多いでしょうが、殺虫剤やコンクリートの家や輸入物におされてだんだん減ってしまったそうです。しかし、この何年かはその良さが見直されて、また盛り返しているとのこと。殺虫剤の毒は体に悪さをするし、輸入物は合繊でできていて暑いし、なんといっても蚊帳には風情があります。

■ 蚊帳地を使ったのれんも販売

日本の蚊帳は、素材が麻なので通気性がよく、吸湿性にも優れ、肌触りも見た目も気持ちがよい。そこで蚊帳地を使って、のれん・ふきん・テーブルマットなど新製品を開発しています。販売もインターネットという新ルートを開発してやっているとのこと(ナラマチドットコムによる)。古き皮袋に新しき酒ならぬ、新しき皮袋に古き良き酒というところでしょうか。これ からも100年、200年と続けてほしい店です。

場所奈良市芝新屋町1番地
交通近鉄奈良駅より徒歩10分
電話0742-23-3381
価格ふきん:260円、のれん:5460円
営業時間9:00〜16:00
定休日なし(元旦をのぞき無休)
情報提供『民家』55号 正会員・二宮倫行)