民家の店・宿

2012年4月 9日 (月)

山梨/築200年の庄屋造り 蕎麦処「草至庵」

l1八ヶ岳南麓の集落に佇む風格ある屋敷
 日本一の日照時間、咲き誇るヒマワリで有名な、その名の通り明るい里、山梨県北杜市明野町に昨年の1月開業した「蕎麦処・草至庵」を訪ねました。
 道祖神を祀り、昔ながらの季節行事が続けられる集落に、ひときわ目を引く立派な屋敷。庵主の金子徹也さんのご両親が、9年前、退職を機に移住を決意し、長い間放置されていた大地主の住まいを見違えるほど美しく蘇らせたのです。
 山羊や烏骨鶏を飼い、畑で作物を育てる自給自足の毎日を送りながら暮らしてきたご両親。そんなお二人を支えていきたいと、新宿の老舗店で江戸前蕎麦を学んだ徹也さんも、当地に腰を落ち着け、開業の運びとなりました。

l2_4親子が共に創り上げるもてなしの空間
 外廊下が廻る母屋の広い座敷に集う客人に、別棟の土蔵を改築した厨房から蕎麦が丁寧に運ばれてきます。徹也さんが試行錯誤を重ね、細麺にしても歯ごたえがあるように仕上げた蕎麦は、すっきりしたつゆによく合います。烏骨鶏の卵で作る贅沢な出汁巻玉子も人気の一品。
 お母様の恵子さんが仕込む保存食は懐石料理として供されます。自家農園の作物を中心に、添加物は一切使わず郷土の味わいが活きています。食器をはじめ、店内にはお父様の至さんが30年もかけて収集された骨董品が飾られており、しっくりと馴染んでいます。
 囲炉裏端を囲んでの談笑は、ゆっくり流れる田舎時間に浸れる至福のひととき。八ヶ岳南麓にお越しの際は、ぜひお立ち寄りください。

場所場所 山梨県北杜市明野町上神取1323-1
交通 中央道須玉ICより車で約15分
電話0551-25-2317
料金 もり蕎麦600円、出汁巻玉子600円ほか、懐石コース3,000円より(要予約)
情報提供『民家』81号 取材:東京都・:山梨県・友の会会員 佐々木知勢子 写真:滝沢清次
地図は「草至庵の案内」でご確認ください。 http://blogs.yahoo.co.jp/cnhgn717/29330420.htm

2009年7月 9日 (木)

山梨・山梨市/ギャラリー「梨の木畑」

Nashinoki2

■ 小森御前ゆかりの主屋を山梨へ

このギャラリーは、山梨市牧丘町西保下の巨峰畑に囲まれた山里にあります。
建物は、奥州志津川の地で41代続く、小森御前(源義経の家臣・鈴木三郎重家の妻)の後裔といわれる旧家が所有していた「梨の木畑屋敷」主屋だったものです。その老朽化による崩壊を危惧した佐藤巧東北大学教授、松本の建築家降旗広信氏の仲立ちで、平成5年、河合家(筆者宅)の屋敷に移築保存されました。
桁行16間、梁行6間半、土間だけで分譲住宅が宅地ごと入ってしまうほど大規模な建物で、梁や桁も直径2尺ほど、長さ8~10間の巨材が随所に架け渡されている逞しく雄大な構造であり、改造も少なく、文化2年上棟時の姿を今に伝えています。

■ 一室を器店に

移築以来、陶芸家の個展や文化的イベントの開催以外は戸締めにしていましたが、昨年から一室を使って器店を開きました。お手頃な「ふだんづかいの名器」を揃えていますので、建物を見学がてら、ぜひお気軽にお立ち寄りください。

場所山梨県山梨市牧丘町西保下1126
電話0553‐35‐4177
交通JR塩山駅からタクシー10分、中央高速勝沼インターから車で25分
品揃美濃、瀬戸、常滑、信楽、笠間の陶器、ほか漆器
営業時間10:00~17:00
定休日毎週木曜日
周辺情報市営鼓川温泉(日帰り入浴)へ車で4分、武田信玄公菩提寺恵林寺へ車で5分、
重文甘草屋敷へ車で10分、近在に甲州切妻造り古民家群あり
情報提供『民家』61号 友の会会員・河合嘉徳