民家の店・宿

2015年10月14日 (水)

長野/信州みそ醸造元 「塩屋醸造」

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▪️登録有形文化財の老舗
長野県北部に位置する須坂市は、明治から昭和にかけて製糸の町として栄えました。今も町のあちらこちらに蔵の町並みが残っています。その町の中にある塩屋醸造は、江戸末期に塩問屋として創業し、文化・文政時代に味噌・醤油の醸造を始めた老舗のお店として知られています。
醤油蔵や味噌蔵などは江戸後期から明治にかけての建物で、店舗および主屋、離れ、醤油蔵などの10棟は、2007年に国の登録有形文化財になっています。建物は中庭を取り囲むように配置され、上から見るとロの字の形状です。蔵に取り囲まれた中庭に立つと、まるで時代劇のセットに迷い込んだようです。
前もって「みそ蔵めぐり」を予約しておけば、味噌蔵や醤油蔵を見学できます。蔵の中に一歩足を踏み入れると、薄暗くひんやりとしたなかに木桶がびっしりと並び、味噌の香りが充満しています。

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▪️伝統の手づくりみそ
この店のみそは、国産の大豆を蒸して手でつぶし丸めて味噌玉を作り、蔵の中で寝かせます。その後、昔ながらの木桶に仕込み、6~10か月かけてじっくりと熟成させます。熟成期間もさることながら、創業時から受け継がれる蔵の環境と、壁や梁を真っ白にするほどについた酵母菌がみそをより深い味わいにしてくれるとのことです。長年培ってきた歴史を感じさせます。
 名物の「えのき味噌」は国産の大豆と米、そして特産の地元北信濃のエノキダケをペースト状にしてみそと一緒に発酵させた甘口の味噌です。
店舗の1階では、味噌、醤油、自家製のお漬物、いろいろな種類の塩や、ここでしか手に入らない限定醸造品もあります。

▪️地域の人々が集まる店に
 店舗脇に小文庫蔵があります。小さな空間ですが、この囲まれ感がとても心地よく感じます。通常の見学コースには入っていませんが、活用について計画中とのことでイベントや地域の交流の場として使うことも考えているそうです。新たに活躍できる、とても楽しみな空間になりそうです。

場所 長野県須坂市大字須坂537番地
交通 長野電鉄須坂駅より徒歩15分
問い合せ 電話:026-245-0029
商品 えのき味噌(1kg:1,404円)(税込)
玉造り味噌(1kg:1,080円)(税込
営業時間 時間 9:00~18:00
定休日 不定休(8月、12月は無休

(取材:長野県・正会員 東條和夫)

2011年10月15日 (土)

長野県/旅館「まるも」

1_4■宗悦が褒めた旅館でくつろぐ
 松本市街の中心地、女鳥羽川沿いにある旅館「まるも」は、江戸末期(1868年)の創業で明治21年の大火後に建て替えられ、現在に至っています。設計は松本民芸家具の創立者・池田三四郎氏、完成当時民藝運動の父・柳宗悦氏がそのでき栄えを褒めたということです。
 旅館内に一歩足を踏み入れると、街中の喧騒がウソのように静まり、和風でありながらかどこか洋の香りがするしつらえです。また外国からのお客様も多くお迎えしてきた歴史のせいでしょうか、アットホームな温かさも感じられます。

■旅館併設の喫茶「まるも」で珈琲を味わう
3 近年先代のオーナー・新田貞雄さんが他界され、息子の宏さんが後を継いでおられます。長い南米での生活を経て、二十数年ぶりに松本に戻り旅館経営者となった宏さんは「ここは旅館だけど私が生まれ育った家でもあります。やっと我が家に帰ってきた、という感じでやってます」とおっしゃる。そんな思いが旅館のあちこちから感じられました。今年6月松本を襲った大地震でも大した被害はなく、今までと変わらずお客をお迎えしています。
 旅館に併設された喫茶「まるも」は朝8時開店。ほんのりとしたステンドグラスの明かり、心地よいクラシック音楽、どっしりとした松本民芸家具
が、大人の時間を演出しています。カッコいいマスターがいれてくださったコーヒーは、お店の雰囲気と似て大人の味がしました。

場所長野県松本市中央3-3-10
交通JR松本駅より徒歩25分
電話 0263-32-0115
料金一人 一泊 5,000円(税別)、 朝食付一泊6,000円
情報提供『民家』79号 取材:長野県・友の会会員 内川優子

2011年1月12日 (水)

長野・松本市/伊太利亜炭火焼き料理「ドマノマ」

Mise_76 ■ 時間を忘れてくつろげる空間

今日は親しい仲間や家族とご飯食べに行こうか、というときにまっさきに思いつく、お気に入りのお店です。
新しい住宅街にポツンと残された民家。その民家を改修、増築し1999年にOPENしました。
ハーブのお庭を通ると、苔生した瓦屋根の平屋があります。建物へはくぐり戸からお店へ、そして土間の間へ入ります。和紙が貼られた壁、天井を見上げるとトントン葺き(杮こけら葺き)の瓦屋根下地が…。窓も少なく、隠れ家にいる感じ。「昔の家はこれだったよね~」と思い出す。

■ 地元の味、季節の味を楽しむ

地元産の食材、ワイン、炭からも信州に来たことを実感できます。店の前で採ってきたばかりのハーブも食材に華を添えます。
Domanoma_76 メニューは予算に合わせて選ぶことができますが、私のおススメはパスタ(6種類から選べます)・サラダ・ドリンクに、おちょこのデザート5種!! がついたランチセットです。4人で頼むと、20個のいろいろな形のおちょこがお盆に盛られ、見た目も華やかで、季節の味覚がちょこっとずつ楽しめますよ。

場所長野県松本市寿北6-11-1
交通長野自動車道 塩尻北ICから車で約15分
電話0263-85-7337
営業時間11:15 ~ 15:00(Lo 14:00) 18:00 ~ 22:00(Lo 21:00)
※金・土・祝前日は22:30(Lo 21:30)
定休日月曜日(祝日の場合は変更あり)
情報提供『民家』76号 長野県・正会員 本城将道

2009年7月15日 (水)

長野・下諏訪/ギャラリー・そば処「苔泉亭」

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■ 明治初期の茶室・土蔵を
  再生

苔泉亭 たんせいていは、諏訪大社秋宮の参道歩道拡幅工事に伴って移動することになった旧塚越邸を再生し、2007年秋にオープンした。ここは明治初期に建てられ、昭和には郵便局、その後は医院として利用されていたが、この20年ほどは空家となっていた。
入口部分の書院造りは茶室を含めて改修され、見事な欄間を引き継ぐ「茶室 塚越」、奥部の土蔵二棟はそば処「萩月庵」として再生されている。茶室と土蔵をつなぐ三和土の廊下も「ギャラリー下諏訪」として、地元で活躍している方々の作品が展示する場となっている。また、油絵画家・黒田良夫氏の作品や収集物を展示する「黒田良夫文庫」なども併設されている。
茶室 塚越で、抹茶と菓子がいただける。京風庭園を眺めながら、ゆったりした時間を過ごせることだろう。蕎麦処・萩月庵へは苔泉亭の中庭を抜けて入る。手打ちならではの風味と香りが堪能できる。 苔泉亭のあたりは、中山道、甲州街道が分岐する宿場町として栄えた下諏訪町の面影を残す、風情ある共同温泉や旅館が町屋の形式で並ぶ。参道散策を兼ね、ぜひお立ち寄りいただきたい。

場所長野県諏訪郡下諏訪町大社通り5531-1
交通JR中央本線下諏訪駅から徒歩10分
電話/URL0266-27-8861  http://www.tamariya.org
メニユー茶室 塚越 抹茶(菓子付き)600円/萩月庵 もり蕎麦 1,200円
営業時間11:00~20:00(苔泉亭)
定休日水曜日
情報提供『民家』64号 正会員・関 謙二

2009年7月 6日 (月)

長野・安曇野市/花・林・桃・源・郷「蔵久 」

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■ 安曇野の酒蔵を改修

1810年(文化7年)に建てられ、1986年(昭和61年)まで造り酒屋「飯野屋」を営んでいた。2005年6月、主屋の一部を改修し、 花林糖 かりんとう菓子の売店および飲食空間としてオープンした。この主家には8代目当主飯田さんの居住部分もある。
2005年秋、この飯田家住宅は国の“登録有形文化財”に指定された。 本棟 ほんむね造りの主屋を中心に、七つの蔵が立ち並び、それを屋敷林が取り囲む。安曇野に見られる典型的な姿で、素晴らしい景観を備えている。
1976年に公開の映画「犬神家の一族」の一作目ロケが、この飯田家住宅で行われた。ロケ地訪問に興味のある方は、一度訪れてみる価値がある。

■ 新しい食文化の発信地として

蔵久 くらきゅう」は、松本市内にある花林糖菓子一筋の老舗、久星食品㈱が経営している。民家と菓子メーカーのコラボレーションで、伝統に足を着け、未来を見つめた食文化を全国に発信する拠点にしたいと努力している。
2006年、豊かな地域資産を活かし、独創的で良質な商品やサービスを創出・提供しているブランドとして “信州ブランドアワード2006特別賞”に選定されている。昨年秋には、蔵久エキュート立川店(東京)をオープンした。

場所長野県安曇野市豊科高家 604
電話0263-73-0170
URLhttp://www.kurakyu.jp/
交通長野自動車道豊科ICより車で7分
商品源作花林糖(16個入)1,050円、揚げたて花林糖(100g)300円
食事メニュー田舎そば 850円、黒糖カレー 680円
営業時間10:00~17:00
定休日4~10月は無休、11~3月は水曜日
情報提供『民家』59号 友の会会員・北村耕一

2009年7月 4日 (土)

長野・中条村/里山の宿「やきもち家」

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■ 浮世を忘れる茅葺きの宿

長野駅から西へ車で30分、中条村標高700m付近を目指し山道を登ると、山裾にひときわ大きな茅葺き屋根の宿が見えてきます。ここが、やきもち家です。現在でも約360棟の伝統的な民家が残る村の中心部から移築したものです。集落の屋根の大半は茅葺きから鉄板へと変わっていますが、懐かしい山里の風景がこの集落には残っています。
近くには昔の木造校舎を利用した音楽堂や水車小屋、神社などもあり、のんびりとした山道散策も楽しむことができます。
宿の前を通る県道を西に向うと、北アルプスの山々が眼前に開け、山岳道路のような感覚に陥ります。
夜ともなれば、囲炉裏で地酒を飲むもよし、露天風呂から満天の星空を見るもよし、浮世をしばし忘れさせてくれる茅葺き民家の宿です。

■ 囲炉裏で食べる「やきもち」

 

やきもち家は昔なつかしい引き戸から入ります。「やきもち」は「おやき」とも呼ばれ、中条村をはじめこの地方一帯で昔からある郷土食です。小麦粉の皮に季節の野菜を入れ、囲炉裏で蒸し焼きにして食べます。焼きたてのあつあつ、ほくほくをいただくのは、また格別です。

場所長野県上水内郡中条村大字日下野5286番地
電話026-267-2641
交通JR長野駅から川中島バス、初引または高府行きで中条下車(送迎あり)
メニュー「手打ぶっ込みうどん」550円、「やきもち」1個150円、「やきもち体験」1人1,000円(要予約)
宿泊料金1人1泊2食(税込み)6,825円~7,875円  日帰り入浴/大人500円・子ども400円       (10:00~19:00、水曜日定休)
情報提供『民家』58号 正会員・峯村 洋