民家の店・宿

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2012年10月10日 (水)

大分/カフェ「桃花流水」

Cimg2511_2■小さな蔵を改装したカフェ
 大分市戸へ 次つぎ本町は、かつて大野川河川が交通の要所だった頃栄えた市内では、唯一歴史的な町並みが残る地域である。街道筋に残る町屋は商業の集落として栄えてきた。ここに、豊後守護職大友氏と主従関係を結んだこともある家系で、農業のかたわら、酒造を生業とした帆ほ 足あし家の本家が今も残る。主屋である「富ふ 春しゅん館かん」は臼うす杵き の名棟梁高橋団内の作であり、式台付玄関など武家構えの特徴をもつ。帆足家は豊後竹田の出身で文人画家の田能村竹田と深く交流があり、「富春館」は多くの文人墨客を迎え入れたサロンでもあった。
 今回、紹介するカフェ「桃花流水」は、この帆足家の小さな蔵を改装したものである。荒壁と構造材の柱と貫を当時の面影のまま残してあり、変に飾ったところがない。

120318_173245■眠っていた道具が地元の食材と調和する
 カウンターやテーブルの天板には、酒蔵にあった道具や樽のふたを上手く使い、足は蒸し器の角せいろを利用している。食器にいたっては、かつては冠婚葬祭などで使われていたであろう、蔵に眠っていた食器を使用しているが、当時の和食器にケーキをのせても、この空間のおかげか何の違和感もなく、むしろそれが調和している。コーヒーカップもザラメ入れもすべて昔の食器や漆器である。そこにあるものの素材を生かしてつくられたカフェである。それはメニューを見てもおなじだ。戸次のミネラル豊富な土壌で獲れるまっすぐなごぼうや、近くの農園で獲れた野菜など、地元の食材をふんだんに使用したメニューが多数ある。
 オーナーにカフェの始まりを聞いてみた。12年前に「富春館」を一般公開した時に臨時でカフェを開くことになり、もともとここにあったものを利用して、あり合わせで作ったカフェだった。好評を得て、メニューを増やし今のスタイルになった。古いものはお金で買えないからそれを大事にして、今に生かしていきたい。年配の方にも若い方にもそれを見て感じてもらいたいと語ってくれた。

場所大分県大分市大字中戸次4381番地
交通米良I.C.から車で10分
電話097-597-7111
料金コーヒー525円、ケーキセット840円、ランチ800円~
営業 10:00~17:00 定休日:月曜日
情報提供『民家』83号 取材:熊本県 和田恵利子