民家の店・宿

2015年7月22日 (水)

愛知 /煎売喫茶 「治郎兵衛」

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■明治45年築の住宅をカフェに
 知多半島の武たけ豊とよ町、国道から横道に入ったところにこの店はあります。前庭を抜け、格子のドアを開けて店内に入ると、高い天井と広々としたスペースに目を奪われます。1軒の民家全体を店舗に再生しており、部屋の仕切りが取り外され、床は全面フローリングに。庭に面したカウンター席には昔のガラスを通して柔らかい光が射し込んでいます。昔のままの柱、差鴨居、梁、天井が表れ、周囲の壁には絵画など美術品が飾られて、落ち着いた雰囲気です。

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 この店の建物は江戸時代から醸造業を営んでいた治郎兵衛商店の住宅だったもの。今のオーナー夫人のお母さんの実家で、明治45 年の建築です。だれも使わなければ解体するというので譲り受け、ご夫妻の「いずれコーヒー店をやりたい」というかねてからの夢を実現したとのこと。6 年前のことです。

■こだわりのコーヒーと手作りケーキ
 ご主人はもともとコーヒーの加工・卸しの会社に勤めておられたというだけに、自家焙煎のコーヒーは香り高く、申し分ありません。
ご主人に「コーヒーの味は豆の品質ですか」と聞くと、「水が第一、浄水器を使っています。それからポット」との答え。注ぎ口の長さと形が重要だと言います。夫人手作りのケーキも好評。サンドイッチのセットも評判で、朝食に立ち寄る人も多いようです。店では、コーヒー豆や器具類も売っています。

■醸造業で栄えた知多半島の町
ここ知多半島は日本三大名醸地の一つ、江戸時代から味噌やたまりの醸造業が盛んでした。特に明治になってからは港と鉄道が整備され、これらを利用して販路が広がり、一大産地になりました。この武豊町にも昭和初期には醸造元が50軒余りあったとのこと。今でも5軒が生産を続けていて、醸造工場の黒い板塀が続く趣のある町並みを見ることができます。

場所 愛知県知多郡武豊町字里中128-1
交通 JR武豊線武豊駅から南へ1km
名鉄河和線知多武豊駅から870m
問い合せ 電話:0569-72-0160
メニュー メニュー オリジナルブレンド400円、ベイクドチーズケーキ350円、アフタヌーンプレート580円
営業時間 8:00~ 17:00
定休日 火・水曜日

(取材:東京都・正会員 清沢和弘)