イベント報告

イベントやセミナーに参加したJMRA会員の投稿コーナーです。

2010年3月 6日 (土)

山梨「古里庵」一坪小屋の組み立て実演

会場=山梨県甲州市
期日 =2009年12月13日(日)

Photo_15「JMRA山梨民家の会」の企画で行われた今回のイベントには、20名ほどが参加しました。 
この小屋はもともと三年前に、甲州市塩山在住の雨宮国広さんが製作されたものです。川崎市立日本民家園に保存されている多摩川の船頭小屋を模した一坪の小屋里庵」)です。
今回のイベントは、この小屋を市内塩山にある「福々亭」の前庭へ移築する作業の見学です。
雨宮さんは「どんな木でも生かす」をモットーに、手道具のみで、自分たちで伐りだした木を使った家づくりを実践されています。今年の八月にも、移動組み立て式で三坪の茶室を、持ち寄った手道具で造る準備をされているとのことでした。
 小屋の組み立ては、垂(たる) 木(き) の固定以外は釘を使わないもので、一人でもできるとのことですが、今回は短い時間で仕上げるため二人での作業となりました。あらかじめ、土間に埋め込まれた玉石の上に土台を回し柱を立てますが、柱、梁、桁行の組み合わせは、鳥居と同じとのことで、小さな小屋でも構造はしっかりしていると関心しました。竪(たて) 羽(いた) (め) (は) 目板は、曲がりのある部材に合わせて切られていて、番付順にはめ込み形ができてきたところで、一昨年現地再生した主屋で
昼休みとなりました。
昼食は弁当と、参加者の子どもさんがおこしてくれた竈の火で温かいけんちん汁をいただき、体も温まったところで午後の屋根部の作業見学です。
野(いた) (じ) (の) 地板を葺き、建具を取り付けて作業は終了。杉皮葺きは後日ということになりました。
参加者が順次内部を見学。細丸太を使った庇の垂木や、木(き) 小(まい) (こ) 舞の見える天井と古い茶箪笥の戸を使った小窓の雰囲気は、船頭小屋というよりは茶室の趣です。
その後、雨宮さんより日本の斧と西洋の斧の違いや、古代の石斧や鉄斧での力の入れ方など、実演を交えて教えていただきました。
木の先端部まで「生かす」(使い切る)ことは、自然からいただく木材を大切に使う心だと教えられました。

(埼玉県・友の会会員 中川淳一)

京都「民家ツーリズム・オープン民家in京都綾部」

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期日=2009年11月22日(土)・23日(日)

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 民家に宿泊体験する「民家ツーリズム」と地域の古民家を利活用した住居や店舗を見て歩いたりする「オープン民家」に参加するため、主人と私は紅葉の中を茅葺き民家のお宿「綾部吉水」に向かってひた走りました。「通り過ぎた? それとも道を間違えた?」と一抹の不安に駆られながら奥へ奥へと進むと、ありました! 自然の懐に抱かれた茅葺き屋根の宿。フカフカの落ち葉の庭を横切って静かな佇まいの玄関を入ると、大きな囲炉裏が私たちを迎えてくれました。
 参加者が自己紹介をした後、綾部在住のカナダ人陶芸家トレーシー・グラスさんを訪ねました。レンガ造りの工房兼自宅には、独創的で渋い色合いのさまざまな器が並んでいました。カナダ風の建物の奥には陶芸に使う土を保管したり、釉(ゆうやく) 薬を調合するための工房と大きな窯がありました。煙突のあるレンガの建物がどのように里山に溶け込んでいるか見たかったのですが、すでに辺りは真っ暗でした。
 宿の夕飯は、囲炉裏を囲んで地鶏の豆乳鍋をいただきました。肩を寄せ合いパチパチはぜる火を見ながら食べ語らう囲炉裏端は、ほんとうにすぐれた交流の場です。
 
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Photo_14翌朝は快晴。オープン民家の最初は、週末を過ごされるというご夫婦が再生した古民家です。茅葺きの民家と洋風な庭園が意外に合います。室内は、昔懐かしい趣きを残しながら同時にとてもお洒落でした。
次は、セルフ・ビルドで再生中の民家でした。建て主は大阪から綾部に通いながらの挑戦です。完成の頃に再訪して苦労話、楽しい話などをお聞きしてみたいものです。その方の想いがどのような形になっているか、とても楽しみです。
大阪から綾部に移り住み、定年後の自由を満喫されている方のお宅では、お手製の露天風呂や空中ブランコなどなど、遊び心にあふれた暮らしぶりが楽しかったです。  
 最後は、古民家に暮らしながら地元の仲間と手造りした石窯でパ ンを焼いたり菜園での野菜づくりを楽しむ方のお宅です。主屋の縁側には陽がサンサンと射していました。眼下に里の風景が広がり、膝に猫でもいたら一日この縁側で
飽きることはないでしょう。
 実は、私も最近奈良県宇陀市に古民家を手に入れました。今回のイベントに参加し、たくさんのヒントをいただきました。それを活かしながら自分たちのリフォームにボチボチととりかかろうと思ています。

(奈良県・友の会会員 植田由貴江)

神奈川 「民家再生見学会」

会場=神奈川県横浜市
期日=2009年8月1日(土)

8月1日、JR横浜線の中山駅に集合しました。
今回お伺いするお宅は、2世帯住宅です。以前住んでいた住宅の一部を再生したいという希望からJMRAと関わることになり、部材として東京奥多摩の木を使用したことから「東京の木で家を造る会」とのコラボレーションによる見学会となりました。
大工をしていたお爺様が1937年(昭和12年)に建てたこともあり、思い入れの多い家を部分的に改築するという方向からも考えていたそうですが、思い切って古材を組み入れた新築に踏み切ったということでした。
坪庭が見える贅沢な玄関に入ると豊かな木の香り。床のほとんどは無垢材を使用し、壁は漆喰。リビングには新材で八寸の大黒柱を入れ、伝統工法による仕口、継ぎ手を用いた様子が見えました。お母様の部屋は古材を多用して、とてもきれいに復元されており、大工さんの腕の良さを感じました。
新材は東京産の木のみを使っていることから木にまつわる話が多く、地場の木材を使用することの大切さについて考えさせられました。
この工事に携わった方々も、当日参加されていましたが、この家を建てることについての話をする際に自分のできの良い子どもの自慢話をしているようで、聞いている私も嬉しくなりました。
構想に3年、施工に1年(刻みに3ヶ月)の大プロジェクトを振り返り、「一家の文化祭」と称した建て主さんの嬉しそうな、そして祭りの後の少し寂しそうな顔が印象的でした。
(埼玉県・友の会会員 松田真理子)

2010年1月16日 (土)

神奈川 「民家の学校10周年 そしてこれから…」

会場=神奈川県横浜市
期日=2009年11月1日(日)
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横浜市の有形文化財にしていされている飯田邸
 
 2000年春に立ち上げられた民家の学校が、10周年を迎えた。これを記念するイベントが一一月一日に横浜市綱島の飯田家住宅で
開かれた。なにしろ一〇年に一度だけの企画であり、一期生から10期生、講師陣まで総勢八八名が顔を揃える盛大なイベントとなった。
 午前中からの参加者は、綱島・大倉山周辺を散策しつつ地域の歴史的建造物を見てまわり、その後、午後からの参加者と合流して、ご当主のお話を伺いながら飯田邸を見学し、最後は、地元ボランティアの方々お手製の料理をいただきながら、交流を深めた。
 今回のイベントのメイン会場である飯田邸は、JMRA会員の飯田助(すけとも) 知さんが所有されている。総面積2000平米を超える敷地に桁行11間、梁間4間半の寄せ棟茅葺きの主屋と長屋門があり、庭 にはサルスベリ、梅などの木々が立ち、一部濠を残した歴史的にも貴重な建物で、横浜市の有形文化財でもある。
 個人宅であるにもかかわらず、地域の活動やJMRAのイベントにたびたび活用されている。そうしたことからわかるとおり、当主の飯田さんは実に鷹揚な方だ。元高校の校長先生であり、邸内を巡りながら当時の思い出話も飛び出す。「私はね、病気で休んだことがないんです。病気になる前に休んじゃう。『校長が休んで大丈夫なのか』って聞かれると『学校は教頭でもってる』と答えちゃう」。もし教頭時代に同じ質問を受けたらどう答えたのかと問われると「もちろん『学校は校長でもってる』」参加者の笑いを誘っていた。

飯田家は代々綱島の名主を務めてきた。享保年代(1718~.35年)以降、収穫米の配分は「五公五民」が一般的であったが、周辺はたびたび洪水に見舞われため、「三公七民」まで下げるよう幕府にかけ合い、自領の民をため守ったという。そんな柔人々への優しい眼差しが、今に引き継がれているようだ。

 住宅には、住居の機能、財産の機能、それに交流の場としての機能があると思う。この三つめの機能は民家の真骨頂ともいえるものだが、現代の住宅では実現しにくい。飯田家住宅の居心地のよさは、今なおその貴重な機能が健在な点にある。10周年を祝う特別な日を、こうした場所で迎えられたのは、本当に幸せなことだ。

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 交流会では、卒業生から活動報告や告知があった。民家の保全・修復などに携わる「民家お助け 隊」が参加を呼びかけほか、卒業生の親御さんの実家で国指定重要文化財である、高知の安岡家住宅の本格修復について協力要請があり、瞬く間に募金が集まった。
卒業生の一人が「共通の好きなことを中心に人々が集まり、仲良くなれるのが民家の学校のいいところ」とおっしゃっていたが、そのとおりだと思う。同じ趣味の友だちができて、さらに興味を深めることができる。しかも社会参加にもつながっている。私の学校に入った理由は、まさにそこにあった。

 イベントの閉会が近づいた頃、参加者に衝撃が走った。この学校の生みの親であり、育ての親でもある大沢匠校長が、今期かぎりで退任すると発表したのだ。続いて新校長が登場すると、さらにどよめきが起こった。引き継ぐのは、30歳以上若い横川超(たける) さん。大沢校長が彼に白羽の矢を立てたのは「自分と同じく非常に好奇心が旺盛だから」だそうだ。私もよく知っているが、ぴったりの人選だと思う。つい最近まで、海外へ長い放浪の旅に出ていた彼は、好奇心だけでなく、バイタリティにもあふ
れている。来期からどんな学校になるのか、今から楽しみだ。最後は大沢校長を胴上げして思い出に残る締めくくりとなった。

タイトルのとおり、民家の学校の「これから」に夢をつなぐことができたイベントだったと思う。

(東京都・正会員 大澤憲吾)

2009年12月10日 (木)

「民家フォーラム2009」

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10月24日(土)、25日(日)の2日間にわたり、福島県郡山市にてJMRA主催の第12回「民家フォーラム2009」が開催されました。
今回のフォーラムでは、地域の歴史と文化である伝統的な民家を生かし地域の活性化を図る方策を探ることを目的に、「民家を生かす、地域をおこす」をテーマに掲げ、シンポジウムと民家ツアーを実施しました。
初日の24日には、郡山市内の安積歴史博物館(国指定重要文化財)(写真1)を会場にシンポジウム(基調講演と活動事例発表・討論)が開催され、全国および地元からJMRA会員をはじめ約200名が参加しました。
最初に、松山東雲短大の犬伏武彦教授による基調講演が「イギリスは、限界集落はなかった!」と題して行われ、参加者の感動を呼びました。

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会場を埋めた参加者 、基調講演をする犬伏武彦教授


続いて次の3名の方から活動事例発表があり、討論が行われました。
1.民家を地域交流ふれあいセンターに(山形市)
社会福祉法人やまがた市民福祉会理事 松浦猛将
2.日本一の蔵を生かしたまちづくり(福島県喜多方市)
NPO法人「まちづくり喜多方」代表理事 江花圭司
3.民家トラストで民家を介護・教育施設に活用(東京都西東京市)
㈱山田屋代表取締役 山田哲矢

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活動事例報告の松浦猛将氏, 江花圭司氏 , 山田哲矢氏,

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報告を受けての討論では、福島県南会津で活動している原啓氏から現地報告がありました。
シンポジウムに先立って、民家再生奨励賞の表彰があり、22件の民家再生に対し賞状とプレートが手渡されました。

また、民家再生事例のパネル展示、曳家協会による曳家実演が行われました。

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2日目の25日には、2コースのオプショナルツアーが組まれ、「蔵のまち喜多方を巡る」ツアーに40名、いわきの民家を巡る」ツアーに14名の参加がありました。

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喜多方の座敷蔵(大善家)、 喜多方ツアーの参加者

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来年の民家フォーラムは、岐阜県飛騨市で開催の予定です。

2009年10月22日 (木)

「フランスの美しい村々と民家をた訪ねる旅」

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2009年9月21日から29日
参加人数:40名
団  長:佐藤 彰啓

<1日目>

一行は21日12:00、フランス航空にて成田を発ち、パリ・シャルルドゴール空港を経てバスにてシャンパーニュ地方のトロワに着いたのは成田より15時間後、フランス時間21:00でした。

<2日目>

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今日から「フランスの最も美しい村」を巡る旅の始まりです。
出発までの2時間程をトロワの旧市街を早朝散策、ここには中世の木組みの家が
数多く残っていて、まるで支えあうかのように曲がったままの梁を保ったまま軒を連ねています。狭い路地は上階に行くほど張り出し不思議な光景です。時間がないので駆け足でしたがゆっくり時間をとって廻りたい街でした。
いよいよ「フランスの最も美しい村」の一つである世界遺産のヴェズレーへ出発です。車窓はやさしく、美しい田園風景が何処までも続きます。


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ヴェズレーでは今回の旅の前半をセットして下さったブルゴーニュ在住の大島さんが一緒に案内してくれました。
ここはかつてキリスト教の一大巡礼地として栄え、この丘の上に建つサント・マドレーヌ寺院を中心に中世の村がそっくり残っているお伽の国のような美しい村した。道の中央には巡礼の道標となるホタテのエンブレムがあり、今も民家や店舗として使用中の建物の数箇所で補修、屋根のふき替えなど施工中でしたがこうして何百年もの間大切に守り続けているのが良く解ります。
今夜はブルゴーニュ地方の首都ディジョン泊です

<3日目>

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今日から大島さんに加え歴史研究家のバリガンさんが加わりシャトーヌッフ村へ出発です。
途中農家手作りの特産品を販売するフランス産「道の駅」に寄り、大島さんお勧めのマスタードを皆さんおみやげの購入!、その後ブルゴーニュ運河の港の休憩地へ、ここは地中海と北海を繋ぐ水脈の重要な基点とのことでした。とても静かなのどかな風景に心が洗われます。又この地を旅する際はゆっくりと運河の船旅を楽しみたいものです。
お昼はサント・サビンヌ村のシャトーホテルにて、食前酒キールを飲みながらザリガニ入りサラダ、鴨肉料理、カシスのババロアと午後から訪ねるシャトーヌッフ村愛好会名誉村長のシモンさん(86歳)も交えて優雅な昼食を頂きました。ここは12世紀に建てられた修道院の跡地に17世紀に城として建てられたものです。

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シャトーヌッフ村はフランスの最も美しい村協会加盟後、愛好会の努力もあって、過疎化していた村が活気付いた村おこしに成功した場所です。村の入口には15世紀に建てられたシモンさんの家があり、そこからなだらかな丘へと続く小さな素敵な村でした。丘の上には堀に囲まれたお城があり,i一部修復中でした。


夕刻ディジョンに戻り、市内の中世からある邸宅や商人の館などを見学後、市内最高のミシュラン・レストランで夕食、皆さん又もキール酒をリクエスト!勿論、中夜共に大島さんお勧めのワインを頂いたのは言うまでもありません。

<4日目>

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今日はブルゴーニュのワイン産地を巡ります。
何処まで言っても見渡す限り葡萄畑のグラン・クリュ街道をひた走り、ジュブレ・シャンベルタン村のお城に到着、ここは要塞として11~13世紀に建築された城で、今ではワイン農家が使用しています。内部を見学させてもらいましたが、かつての城壁の跡や塔、地下には牢獄など要塞として使われていた中世の面影が色濃く残っていました。
地下のワインセラーにてジュブレ・シャンベルタンの2002年物の良質なワインを2種類試飲させてもらいました。このワインは皇帝ナポレオンが愛したと言われています。ワイン好きには垂涎の一滴でしょう
昼食はヴォルネー村のワイン農家が経営するレストランにてエスカルゴを頂きましたが、恐らく今回の旅の中でナンバーワンの味でした。皆さんこちらでワインを購入、重たい旅の始まりです。
大島さんと陽気なバリガンさんとはここでお別れ、お二人のおかげでとても楽しい、おいしい旅でした。有難うございました。
この後、迷いながら今夜の宿のエコミュゼ・アルザスへ向かいました。

<5日目>

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エコミュゼ・アルザス内のロッジに分宿した一行は同じ敷地内のアルザス地方の民家園とも言うべき伝統的民家の集落を見学しました。ここは一番古い建物は500年以上経過しています。油屋、鍛冶屋、車大工の作業所では職人が実演しながら来訪者と会話を交わし、穀物小屋では水車が廻り、家畜小屋では牛やロバやヤギなどが人懐っこく迎えてくれます。そのほか馬具製造所、製粉所、漁師の家、共同洗濯所等、生活に根ざした農村社会のいろいろな業種の建物や学校や役所なども再現され、教育上有効との評価を得て年間4万人の小学生が訪れ、実際にこの敷地内で数週間生活を共にするそうです。日本の各地の故郷村も見習う課題が感じられたエコミュゼでした。
昼、ミューズ空港からパリ・オルリー空港へ移動


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19:00よりパリの宿泊ホテル、プルマン・ラ・デファンスホテルにて今回最大のイベントであるフランス民家協会との交流会が開催されました。
フランス民家協会は1985年に発足し、会員数は現在1万人とのことです。
トニーさんによる活動紹介はスライドを使い、フランス民家の修復の現状や材料などを説明頂き、明日からのノルマンディの見学が胸躍ります。また、フランス民家協会会長から興味深い質問があり、お互いに民家に対する深い思いを感じた交流会でした。


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<6日目>

今日からフランス民家協会のトニーさんとノルマンディ地方へ移動、早朝は北の湿った空気があたりを包み、幻想的な霧の中を進みます。ノルマンディは乳製品とりんごの産地として栄え、競争馬の産地としても有名です。

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一軒目はボヌボスクのシャンベルサンの荘園を見学。16世紀のこの地方も典型的な荘園の建物、116年間この状態で保存しており、現在6代目が住んでいます。この建物の外観はとてもデザイン性に優れた美しい建物でした。広大な敷地の中にはパン焼き小屋、納屋、馬車小屋、それに洗濯板が水位によって上下する洗濯場(歴史的建造物)などが点在しています。また、ミニュチアの民家の展示が実に見事、建物だけでなく人も家具も精巧に作られ、納屋の中いっぱいに広がる夢の世界でした。

昼は美しい庭園の中にあるJARDIN DE PAY DAUGEでクレープの昼食、カルバドスをたっぷり掛けたフランベタイプに人気があるようです。

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午後からは1975年に修復を初め、1989年に「フランスの最も美しい村」に認定されたブーグロン・アン・オージュを訪れました。ここは昔の街道の宿場町で街の角には16世紀の地方豪族の館があり、小さな商店がぎっしり軒を並べていました。

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この後、クレーブクール・アン・オージュを訪問、お堀の跳ね橋を通り城壁の中では民家協会の方が土壁のデモンストレーションを披露、JMRAからも一緒に参加し、土壁作りを体験、日本との違いを実感していました。この城は只今修復中の部分があり、躯体構造が良く解ります。

今夜の宿は今回のツアーのメインイベント、フランスの田舎の民宿に分宿です。それぞれ個性豊かな建物、と内装でした。中には天蓋付きのベットを備えた部屋もあったそうです。

<7日目>

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今日はノルマンディ最後の見学日、濃霧の中をこの地区会長のグルーネルさんと一緒にサン・ローラン・デュ・モンへ向かいました。1軒目りんごの栽培とそれを醸造したシールドとカルヴァドスの生産農家、この2種をミックスしたポモも合わせて試飲させてもらい、朝からほろ酔い気分!皆さんお土産に購入していました。

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続いてサン・マリー・オザングレを訪問、こちらのご夫妻は1987年にこの土地を購入し、周辺の古い家を買い増しながら改修を重ねてきたそうです。ご自慢の美しい庭と共に見事な景観を保っています。

午後からはカマンベール村へ

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竹林の中にひっそり佇む17世紀の農家、何か懐かしさを覚える風景は日本の僧侶から禅を学んだ奥様の思いが庭や家具、住まい方そのものに現れ、畳の禅道場や日本式の風呂などがあり、作家のご主人との静かな田舎暮らしを楽しんでいる様子が良く解ります

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最後の訪問地となったのは92歳の陽気なポレットおばちゃんのご自慢の農家、牧場の柵から牛たちがゆっくりと出迎えてくれます。こちらはこの地方の17世紀の代表的な建築を再現したもので、フランス農家協会の大賞受賞しています。
ノルマンディ地方の見学で良く見かけられたのは、強い西風から土壁を守るために造られた防御壁でした。これは瓦の形をした栗の木などで作られている壁面で、独特の美しい造形美を成していました。


天気に恵まれた「美しい村々と民家を訪ねる旅」も明日のパリの自由行動を残すのみです。この旅に同行して下さったフランス民家協会のトニーさん、通訳の内川さんどうもありがとうございました。そして若き添乗員の村上さんご苦労さまでした。

写真:JMRA 会員/長谷川 順一、松本 薫、友の会会員/小林 澄子(記事共)

2009年10月17日 (土)

「建て主による建て主のための民家再生ここだけの話」

今年で5年目を迎えた「建て主による建て主のための民家再生ここだけの話」の講座は、昨年から、再生民家を会場として講座を開いています。
今回は、長年民家の再生に携わり、再生民家の設計では定評のあるGプランニングがついに築140年の古民家を入手し、アトリエとして再生した埼玉県飯能の「新寺の家」で、参加者14名、総勢27名で開催。

Photo_1 事例1は、Gプランニングの佐々木さん。プロといえどもいざ自分の家となると苦労し、予算上分離発注にしたが、その大変さなど、それこそ「ここだけの話、建て主さんの気持ちがよく解りました!」と本音をちらり。
また、この過程で、工学院大学中島研究室の協力により、民家再生の環境負荷削減のCO2による徹底調査を行い、結果は、やはり民家再生はCO2排出量削減効果が得られることが分かったとのこと。

事例2は、山梨県鳥沢の90年前に古材で建てた農家を養蚕が盛んだった昭和30年代のころの姿に戻し、人の集まる場所にしたかったという小俣氏。
使えるものは全て使うという精神で、古材を使い、余った床板や根太は壁材に使用したら、良い質感がでたという。
部分的には、塗りを自分でやったり、2階の床板の隙間に板をはめたり、いまだ進行中であるが、週末にはたくさんの人が集まるようになったそうだ。

事例3は、神奈川県座間市の自宅、新築和風木造住宅の一部に古材利用、建具利用をされた鈴木氏。
平屋で軒深く、縁側がある家、同じ金額であるのならとことん木材でと、こだわった家だ。
奥様が幼い頃慣れ親しんだ築150年の兜作りの家の建具と一部の古材を利用した。
最初に費用、希望を伝え、あとはお任せし、ほとんど口を出さなかったことが成功の秘訣という。

参加者からは、「再生中だが実物を見る機会がないので」「工務店だが手仕事を残したいので実際に建てる人や施主の気持ちを知りたい」「すでに壊されてしまったが、残ったものや田んぼをどうかしたい」「田舎に民家がありどうしようか悩んでいる」などの質問や感想があった。

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講座の後、文化部会の高田さん手作りの焼きさば寿司、うまき寿司、サラダなどが用意され、急遽懇親会を開いた。殆どの方が残り、それぞれ情報交換などをして予定の2時間近くもオーバーして終了した。

記:JMRA正会員  安井 啓子

2009年9月21日 (月)

新潟/「妻有アートトリエンナーレ」を訪ねて

9月5日、6日、越後妻有(つまり)地域(十日町市と津南町の760km2)で開催された第4回「大地の芸術祭(7月26日~9月13日)」を訪問。この催しは、過疎と高齢化に悩むこの地域の集落、田畑、雑木林、空き家、廃校に、世界各地の芸術家による350以上のアートが展示される3年に一度の世界最大級の芸術祭です。
 JMRAでは、3年前についで2度目の企画で、地元会員の案内で主に廃屋や廃校を舞台とした7カ所(作品番号;私の印象、23;ワイヤの廃屋、24;米粒の滝に霞む農家、233;西洋名画に擬した妻有風俗、234;暗黒の廃校、232;毛糸張りの廃屋、229;黒い館、33;流木造形の学校)を見ました。いずれも厳選された力作でしたが、特に23、24、232は廃屋民家に造形を施し、古い生活の記憶、賑わい、そして寂しさを多様に表現していました。

Dsc_0037_edited_2 Dsc_0018_2 Dsc_0048 Dscn1339 Dscn1332_2 Dscn1343_2

Dsc_0044_edited_3 夕刻、山の頂の芝峠温泉「雲海」にいき、露天風呂から、下界に広がる棚田と幾重にも連なり広がる山波を堪能した後、闇迫る中を山間集落の会員所有の民家に移動し、地元会員の奥様方による数々の郷土料理で、夜の更けるのも忘れての宴となりました。
 翌朝は、海老(かいろう)集落の望郷の丘までいって妻有の山々の見納めをし、松代(まつだい)駅で解散となりました。
 参加者は20余名。初秋の丘陵、民家、棚田、森、谷、川と美術品を巡る100km余りの回遊、日本にはこんなにも美しい田園が在るのだと改めて認識した2日間でした。3年後に再度、企画されるとのこと、皆様の参加を強く推奨します。最後に、企画・運営の5名の地元JMRA会員と奥様方に深謝。(友の会会員 渡辺征夫)

2009年6月 7日 (日)

新潟/長岡市摂田屋&荻の島を歩く

2009年6月6日(土)〜7日(日) 参加者:32名

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;新潟長岡市の摂田屋地区は味噌、醤油、お酒の醸造所が集まっています。吉乃川の瓢亭で地元のNPOからお話を伺い、観光案内のボランティにより倉に囲まれ醸造の香りが漂う三国街道を通り、地震の修復を終えたサフラン酒造の鏝絵を見学、修復担当した女性左官職人の話に参加者は聞き入っていました。ほかに市内には味噌、醤油、酒などの醸造倉が多く、なかなか見所の多いところです。地元のNPOはマップを作ったり、看板を設置したり、様々な行事をやられているようです http://www.settaya.net/

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宿に行く途中、長谷川順一さん設計、長谷川一良さんの工務店施工の「お福酒」母屋の震災被災後修復した母屋も見せていただきました。平入りの茅葺屋根、十間以上ある棟幅の豪壮な建物でした。 http://www2.ocn.ne.jp/~hasegawa/ http://www.ofuku-shuzo.jp/


また同じく長岡市の知る人ぞ知る茅葺の里、高柳地区(旧高柳町)で宿泊しました。隈研吾さん設計の陽(ひかり)の楽屋で夕餉を頂き、地元参加者の自慢の差し入れの日本酒と宿で用意された地元山菜料理に参加者全員多いに盛り上がりました。水田に囲まれた茅葺の宿でかえるの声を聞きながら眠りは格別なものがありました。 http://www.jonnobi-takayanagi.jp/

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翌日は和紙作家の小林康生さんの工房を訪ね、材料から栽培する行程を伺いその苦労が良く解りました。また、京都の表具師がボランティアで仕上げた和紙をふんだんに使った和室は見事でした。表具師の奥深さも垣間見ました。 http://www.kadoidewashi.com/index.php

その後、奥さんの茅葺のご生家に移り住んだ大橋さん(前日の夕餉に参加されていた)宅を訪問し、お宅の改装や生活にまつわる様々を伺いました。また、からむし(麻の一種)織をする奥さんの作品とからむしで出来た江戸時代(?)の越後上布の紋付などを見せていただきました。

記: JMRA 友の会会員 木村まり 

2009年3月 1日 (日)

第5回茅葺の里・八郷の散策と地元茅葺保存会との交流会

会場:茨城県石岡市八郷 /日時:2009年3月1日(土)

Photo_14 昨夜からの猛烈な風のため、常磐線はダイヤが大幅に狂い、朝から今日のイベントはどうなる事かと雨空を眺めながら、何とかたどり着いた集合場所のフラワーパーク、さすが民家大好きの参加者、何と45名の方が集まってました


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  そぼ降る雨の中、地元の八郷茅葺保存会の上野さんと新田さんの案内で梅の花が満開の里山の散策が始まりました。未だ60件程の茅葺が残る八郷は1年中果物が取れると豊かな土地、500坪前後の敷地に大きく立派な長屋門、主家、隠居所、納屋や倉など多くの建物が配され、竹や屋敷林で囲まれた風情は日本の原風景そのものです。

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帰り際には雨も上がり、 しっとりと水を含んだ風景は、春の息吹をより鮮明に、静かに里の空気を包んでいました。

記: JMRA 友の会会員 小林澄子 

2008年10月12日 (日)

長野/諏訪の町並み見学とシンポジューム

会場:長野県諏訪市上諏訪
日時:2008年10月11日(土)〜12日(日)
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湖を囲む山々が色づき始めた穏やかな週末、上諏訪の町並み見学とあわせ、JMRAと地元の街づくり団体「諏訪湖クラブ」による町づくりシンポジュームがおこなわれました。JMRAからは22名が参加しました。

イベントは2日間にわたり、初日はまずJAMRA手作りの「上諏訪てくてくMAP」を手に、諏訪湖クラブメンバーの案内で約2時間半の町並み見学。歴史ある建造物や町の歴史、現在の町づくりの取り組みについて説明を受けたながら歩き、幅1メートルほどの小路は、かっての水路跡であり、舟での商業が盛んであったことなど湖畔の町ならではの歴史を垣間見ることができました。限られた時間でしたが、歩いてこそ知られることができる貴重な体験となりました。

午後のシンポジュームは、市内岡村の法光寺を会場に開催され、町歩きを終えたJMRAメンバー、諏訪湖クラブ12名、諏訪市役所(町づくり課)3名、そして法光寺住職による計38名が参加しました。

寺町の路地裏景観づくりや商店街アーケード撤去の背景、看板建築の再評価について、資料をもとに「地元パワーによる町づくり」の紹介があり、またJMRAからは、松井英子さんがかつて上諏訪の町づくりに関わった経験から今後の町づくりについて提案するなど充実した内容となりました。

地元の人達の、町づくりに対する情熱と”財源“だけに頼らない”センス“による町づくりを目指している姿勢を実感することが出来た素晴らしいしシンポジュームでした。 その後、試飲をしながら酒蔵通りを歩き、老舗旅館「布半」にて懇親会と宿泊、温泉を満喫し、1日の疲れを癒しました。

翌日は諏訪の歴史を知るべく諏訪大社上社本宮・前宮を拝観し、守谷神長官を訪れ、また蔵を住まいに再生した新村邸を見学、途中、秋の味覚、地元産舞茸の天ぷらと信州そば頂き、すばらしい秋の2日間を送りました。

記: JMRA 友の会会員 山田夕湖 
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