イベント報告

2012年9月22日 (土)

フランス/「南フランスの美しい村々と民家を訪ねる旅」

9月22日~9月30日
参加者:36名
団 長:佐藤彰啓

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JMRA では2009年の「フランスの美しい村々と民家を訪ねる旅」に続き今回は南仏プロヴァンスからスイスとの国境シャモニーを巡る旅です。さあ、どんな旅になるのでしょうか?

第1日目 日本~パリ~マルセイユへ

成田空港及び関西空港よりパリ、シャルル・ドゴールよりマルセイユへ

マルセイユではここから3日間同行してくれる南仏のコーディネーター、町田陽子さん、ダヴィットさんの2人が出迎えてくれました。

第2日目 マルセイユ~レ・ポー・ド・プロヴァンス~サン・レミ・ド・プロヴァンス~アヴィニョン

マルセイユのホテルを出発し地中海を望みながらレ・ボー・ド・プロヴァンスに向いました。フォンテーヌ谷の渓谷美を堪能しながら入りくんだ狭い道を上り、山塊の頂上に築かれた村を散策。この村は中世に南仏地方最強の実力者ポー家によって築かれた砦。14C末にはプロヴァンス公国に。 1632年ルイ13世紀の時代に破壊され廃墟となりましたが、現在は村民の努力により、村の景観修復と保存がなされています。何度も戦いを繰り返していた当時の面影が残る要塞でした。

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フォンテーヌの谷を望む / 丘の上の要塞砦「レ・ポー・ド・プロヴァンス」を仰ぎ見る / 村の中の道は狭く入り組み、両側にショップが立ち並ぶ

次にサン・レミ・ド・プロヴァンスに向い昼食、散策。この町はノストラダムスの生家が残っています。またゴッホがこの町の近くの精神病院に入院した事でも知られています。

壁から階段状の石が出ています /サン・レミ・ド・プロヴァンスの中心の教会 /ノストラダムスの生家

 次にオリーブ畑に囲まれたムーラン・ド・カランケのオリーブ製造工場にてテイスティング。地中海沿岸にある200種類のうち、フランスでは10種類作っているとのこと、そのうち5種はここで製造しています。他では中々味わえないとてもおいしいオリーブオイルでした。 その後アヴィニョンに到着。中心街を散策後この日の夕食のレストランへ

第3日 アヴィニョン~セナンク修道院~メネルプ~ルールマラン~アヴィニョン

今日はゴルドを経由してセナンク修道院へ向かいます。猛烈な豪雨の見舞われて雨の中にけむる幻想的なセナンク修道院に到着しました。

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豪雨にけむるセナンク修道院 / 装飾性を省いた祭壇 / 唯一外と触れ合える回廊から見た中庭

1148年にシトー会の修道士達によって建てられたセナンク修道院は装飾性を限りなく省き、簡素性の精神を織り込んだ12から13世紀のロマネスク様式の修道院です。現在も厳しい戒律の中で60代の10人の修道士が生活しています。6月~7月はラベンダーに彩られる幻想的な修道院です。見学中にすっかり雨も上がり、青空から注がれる日差しが回廊に囲まれた中庭を、柔らかく照らしていました。

途中明日見学のゴルドを通ってトリュフで有名なメネルブへ向かいました。

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断崖の頂上にある市庁舎を望む / 美しい鐘楼 / 市庁舎と隣接するレストランでトリュフのパスタの昼食

メネルブはリュベロン山塊の断崖の上にある村で頂上には12世紀にたてられた市庁舎と鐘楼、昼食をとったメゾン・ド・ラ・トリュフ・デ・ヴァンがあります。リュベロン地方自然公園のトリュフとワインの世界を理解するための中心施設になっています。「南仏の12か月」の作家ピーター・メイルが住んでいた村として世界的にも有名ですが、この村にはピカソも別荘を所有していたそうで妻の一人が住んでいました。

7img_2018アヴィニョンへ戻る途中ルールマランに立ち寄りました。ここは作家のアルベール・カミュのゆかりの地であり、近くに墓地にがあります。 12世紀にたてられた城があり、石造りの建物が並ぶ、のどかな村でした。


Photo_5今夜はアヴィニョンの旧市街にて夕食をとります。城壁に囲まれた旧市街を夕食までの1時間ほどを街の散策、アヴィニヨンの橋は時間がないため、傍から見るだけ、踊ることは残念ながら無理でしたね。(写真はアヴィニョンの法王庁)


第4日目 ゴルド

今日はゴルドへ向かい「フランスの美しい村」協会(全国組織)会長でゴルド村長のモーリス・シャベールさんを表敬訪問します。
「フランスの最も美しい村」協会は1982年に設立され、「フランスの美しい村」に認定される条件は
①人口2000人を超えないこと、②2つ以上の歴史的文化遺産があること、③コミューン会議で同意が得られることなどの条件があり、景観を破壊する建物や設備は制限されています。現在フランス国内に151のコミューンと数千の会員を有しています。

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「鷲の巣」と呼ばれるゴルド全景/石を積んだ建物「ボリー」、今は納屋など使われています/ 迷路のような村の中

ゴルドはヴォクリューズ高原にあるリュベロン山塊の村。リュベロン地方で最も人気の観光地です。19世紀から20世紀の間に2度の地震と第2次世界大戦時に民家が破壊されて、一時はかなり人口が減りました。しかし1950年以降、村の努力により、現在は人口2000人にまで増え、ピーター・メイルの「プロヴァンスの贈り物」の映画の舞台にもなりました。「鷲の巣村」と呼ばれてるこの村は山の傾斜に階段状に石造りの家が連なり、美しい景観に魅了されます。フランスの憧れの地です。

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案内役はゴルド村役場の都市計画部門の責任者、ロール・アマゾフさんが迷路のような村を回って説明してくれました。山頂の広場には週一度のマルシェ(市場)が開かれていて、大勢の観光客でにぎやかです。 昼食後、市庁舎にて村長を交え、文化遺産の保護と修復、地域運営などを意見交換しました。(ゴルド村長を囲んで記念撮影)

Photo_10夕食は地元のレストランでみんな一緒に頂きましたが、宿泊はゴルドの4件の民宿に分かれて宿泊、それぞれに特徴のある石を積み上げた素晴らしい建物ばかりでした。さすがプロヴァンス一番の人気スポットです(写真は民宿の一軒)


第5日目 ゴルド~アヌシー

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朝、コーディネーターの町田陽子さん、ダヴィットさんとお別れ、楽しい旅をありがとう!プロヴァンスとお別れ、一路、これから北上してアヌシーヘ、

アヌシーではホテルにてアヌシー観光局、及びフランス民家協会・サヴォア地区による歓迎会。 ここよりはJMRAと姉妹提携をしているフランス民家協会のサヴォア支部ジャン・クロード・トレックさんと通訳兼ガイドの内川邦男さんが第7朝日目まで案内をしてくれます。 生憎の雨でしたがアヌシー在住の内田陽子さんに旧市街のガイドをして頂きました。ティウー運河に沿って歩き、旧市街中心のパレ・ド・リルへ。ここは牢獄として使われていた場所で、この中洲は写真スポットとして最も有名な場所です。

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アヌシー旧市街ティウー運河のパレ・ド・リル/ 映像にてお互いの国の古民家について意見交換/フランス民家協会・サヴォア支部との交流会・記念撮影

夕刻よりアヌシー市内の会議施設でサヴォア地区の建築関係者及びフランス民家協会との交流会が行われ、フランス側からの活動報告があり、日本民家再生についてのフランス民家協会からの質問に、JMRA側から回答、それぞれ映像を交えてお互いの古民家保存に関する貴重な意見交換を行いました。


第6日目 アヌシー~グラン・ボルナン~ル・シナイヨン~ラ・クリュサ

アヌシー湖畔を走り、アラビス山脈へ

1303img_2573_4 途中ディズニーの「白雪姫」の撮影の際、使用されたマントン城を車窓にどんどん山道を北東へ移動し、グラン・ボルナンに到着。ここは冬はスキーリゾート、夏は自然体験のできる夏の保養地、アウトドア・スポーツのメッカです。ここまで来るとスイスとの国境近く、牧歌的な建物と風景が出迎えてくれます。


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グラン・ルグランの風景/チーズの製造中」/チーズの試食

近郊にはルプロッションチーズを製造する農家が80件程あり、各農家で作ったチーズはこの地に集約され各内外へと出荷されていきます。自家製ハムやソーセイジ、生ハム、新鮮な野菜やハーブも有名です。近郊の農家にてサヴォア地方名産のルプロションチーズの製造工程見学、試食。マイルドな味を堪能しました。皆さんお土産に購入したのは言うまでもありません。こちらの農家は28頭の乳牛を放牧し1日当たり500gあたりのチーズを97個生産しているそうです。

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「郷土資料博物館」前で地元の方と記念撮影/木の瓦で葺いた屋根と煙突が美しい景観を創る/木を斧で割って作る木の瓦

街には25年前まで実際に生活していたこの地方の山の生活様式をそのまま残した「郷土資料博物館」があり、干し草を3 階に貯蔵し、2階には家族が住み、1階は家畜がいて搾乳をし、さらにチーズを生産するという随所に知恵のつまった農家の暮らしを見学しました。又、この地方の景観を保つため家の屋根は木の瓦(TAVAiLLON)を乗せ、煙突も写真の通り、アルプスの谷間に美しい景観を展開しています。

401img_2936ここより更にスイス方面に登り、ラ・クリュサのホテル到着。チロル風のホテルのバルコニーから見事な虹がお出迎え!参加者一同大歓声。旅の終盤の疲れも吹飛び、心が洗われる思いです。夕食のワインと生ハムがことのほか、おいしく感じました。

この地はスキーゲレンデを132kmも所有するリゾート地、夏は避暑地としてハイキングや乗馬、パラグライダー、マウンテンバイクなどのスポーツが盛んです。


第7日目 ラ・クリュサー~シャモニー~ヴァロルシン~アヌシー

ホテルを出発後、アラヴィス峠にて写真ストップ。ここからはモンブウランが見えます。放牧地では草を食む牛たちのカウベルが響き、冷たい空気の中で気持ちが休まる響きです。

ボソン氷河を車窓に見ながらスキーリゾートとアルプス連峰への登山基地、シャモニーに到着。日本語が堪能なシャモニー観光局の女性、ベルナデットさんが市内を案内してくれました。また、こちらに40年間住んでいるスキーヤーの横山日出男さんも参加してくれました。山岳展示館にてシャモニー市及び観光局より歓迎式があり、副市長などから歓迎の挨拶があり、ウエルカムドリンクにて歓迎。ここは冨士吉田市と姉妹都市になっています。

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シャモニー中心地からモンブランを望む/ヴァロルシンの19Cの伝統農家(この写真は小麦を収納する納屋、ルガまたはラガーという)/ ヴァロルシンの女性市長・ドミニク・アンセイさん

シャモニーから30分ほど走るとヴァロルシンという小さな村に到着。昔使用していた山道を歩いて、19世紀の伝統農家とデニス・レイさんのクラフトショップを見学。 町役場に戻ってウエルカムドリンクの歓迎を受けました。この村を案内してくれたのはヴァロルシン女性市長のドミニク・アンセイさんです。

01img_2717 この日はアヌシーに戻りましたが、この4日間、この旅をセットして頂いたフランス民家協会・サヴォア支部のジャン・クロード・トレックさんとお別れです。また通訳の内川さんもこの旅のためにトレックさんと一緒に下見をしてくださったそうです。フランス民家協会の皆様、本当にありがとうございました。

今夜は旅の最後の夜を参加者各々、美しいアヌシーの夜景を楽しみながら旧市街を散策しました。


第8日目 アヌシー~ジュネーブ~パリ

アヌシーからスイスのジュネーブを経由してパリへ、ここで関空組とお別れし、成田組は夜の出発までパリ市内を自由散策。美術館やショッピングを楽しんだのですがシャルル・ドゴール空港について搭乗手続きが始まってから成田へは日本に台風が接近中のため、足止めというハプニング、結果的には空港内のホテルに宿泊して半日遅れで翌朝の便で成田へとフライト。日本時間10月1日の朝、無事、成田に到着しました。

今回の旅ではどちらを訪ねても昨年の東日本大震災を大変ご心配頂きました。フランスの皆様、心よりお礼申し上げます。

写真:JMRA正会員 南島順子/記事:JMRA友の会会員 小林澄子