イベント報告

2015年5月30日 (土)

福島/新緑の南会津―再生民家・田舎暮らし・まちづくりの現場を訪ねる

2015年5月30日 (土)~31日(日)民家まちづくり部会
福島県南会津郡只見町、南会津町
参加 30名

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南会津を訪ねるイベントは4度目である。今回は初日に只見町を訪れた。 会津田島駅(会津鉄道)に昼前に集合し、車で1時間余り、只見町に向かう。車窓から会津特有の曲がり屋(中門造り)があちこちに見られて感激する。新緑の山あいに入ったところで、民家としては会津地方で最大規模という叶津番所に到着。名主の住宅で、かつては番所が置かれていた。1643年築と言われる茅葺きの曲がり屋である。その巨大さに圧倒される。昼食をいただきながら、田舎暮らし5年、町会議員を務める石橋明佳さんから村の暮らしなどについてお話をうかがい、意見交換を行った。

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続いて訪ねたのは、廃村の民家を譲り受け、セルフビルドで改修して住んでいる、田舎暮らし15年の今井博さんのお宅。日本一の豪雪地での暮らしの厳しさ、四季の自然の美しさなどの話に感動する。軒下には大量の薪が積み上げられていた。

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夕刻、南会津町に戻り、茨城と南会津の2地域居住をしている原啓さんの再生民家で、囲炉裏を囲んでの交流会。地元の方々、町会議員、役場職員も加わって、地域の食材を使った手作りの料理と地酒をいただきながら、まちづくりや民家活用などの情報交換。民家は人々が集い、語り合う場所にふさわしい。  温泉宿に泊まり、翌朝は朽ちかけた民家をセルフビルドで再生したライダー仲間の隠れ家を見学。空き民家の活用法の見本とも言うべき仕上がりであった。


Dsc_0329 イベントの最後に訪ねたのは、地域交流施設「ホシッパの家」。太い柱を連ねて壁を作る「縦ログ構法」を採用した挑戦的な建物である。地元材を使って地域活性化を図ろうという試みで、興味深い。地域経済が自立しないと、人口増も民家を残すことも難しい。  地元の方々に協力いただき、再生民家・田舎暮らし・まちづくりについて多くを学ぶことができた2日間であった。(会員:清沢和弘)

2015年5月17日 (日)

福島/ 〈福島民家の会〉 本宮市の建築探訪

5月17日㈰
福島県本宮市
参加:8名 

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 福島民家の会ではメンバーの交流や懇親も兼ねて総会の前に見学会をしました。奥会津の廃校となった喰丸小学校を舞台にした映画「ハーメルン」にも登場する木造3階建ての本宮座(本宮映画劇場)は、歌舞伎座風の映画館。昭和38年に閉館し、東日本大震災の揺れを乗り越えてきました。建物とカーボン映写機を守り続けた館主の田村さんの話を聞き、当時の映画を見ました。地域映画制作が熱心な本宮市には、この映画館との地域のコミュニティや思いも感じられました。
 今後も福島民家の会の活動の輪を広げていきたいと思います。(鈴木奈津子)

2013年6月 1日 (土)

福島/いわき 大震災その後の現地を訪ねる

6月1日(土) 企画:民家まちづくり部会
福島県いわき市
参加者:17名
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修復完成間近の被災民家を訪ねる        豊間地区で復興の現状を聞く            避難中の仮設・老健施設で厳しい現状を聞く

東日本大震災の現地を訪ねるのは、昨年4月の石巻に続いて2回目。最初に、海沿いの中之作地区で被災民家の修復に取り組んでいる中之作プロジェクト(代表:JMRA会員の豊田善幸さん)の現場を訪ね、完成間近の民家を見学。元網元の住まいというだけに、立派な神棚や豪華な室内の装飾がすばらしい。続いて、津波で大きな被害を受けた豊間地区の復興協議会を訪ね、復興状況の報告を受ける。地域外に避難している人も含め住民の結束を図るのに苦心していると言う。復興は道半ばだ。最後は、避難地区の楢葉町からいわき市に避 難している老健「楢葉ときわ苑」の仮設を訪ね、施設長から厳しい現状を聞く。「震災、原発事故は終わっていない」との発言に身が引き締まった。「被災地を忘れない」を心に誓った現地訪問であった。(清沢和弘)

2012年10月22日 (月)

福島/南・奥会津 会津田島民家再生Cafe巡りと昭和村木造校舎(昭和55年廃校)で活用方法を考えようの会

2012年10月13日(土)・14日(日)
福島県南会津郡南会津町ほか
参加:13名
 

昨年撮影された映画「ハーメルン」の舞台ともなった「旧喰丸小学校」の木造校舎が壊されそうなので一度見に来てください。というお知らせを頂いて、秋>深まる会津に行ってきました。

Dsc_0003 Img_4756 Dsc_0034_edited 写真は左から登録有形文化財「和泉屋旅館」   / 旧会津博物館   / 再生民家「原邸」の囲炉裏端交流会 

1日目は地元の大桃さんや奥会津博物館の渡部さんの案内で、会津田島のまちあるき。ハイカラな登録有形文化財「和泉屋旅館」で遊び心いっぱいの和洋折衷デザインを楽しんだ後、民家を再生した「SUEZO CAFÉ」でランチを頂きまました。それから腹ごなしに田島祇園祭りの屋台や大谷石造りの「旧マルワ医院」を巡って、またまた「CAFÉ JIMAMA」でティータイム。夜は恒例、会員の原さんの再生民家で地元の皆さんと、囲炉裏端での交流会。地元の美味しい食材と地酒で盛り上がり、囲炉裏で焼きあがるイワナの香り共に更け行く秋の夜を大いに楽しみました。

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写真は「旧喰丸小学校」                       参加者一同

そして、いよいよ2日目はからむし織りという伝統技法を伝えながら地域活動にも取り組んでおられる「NPO法人 苧麻倶楽部」の和泉さんと「旧喰丸小学校」を訪れ、校舎を見学。今後の活用や保存の方法について、互いに意見を交わしました。 その後、倶楽部の運営する「とあるカフェ」などの施設を見学。かつては地元のシンボルでもあった校舎をぜひ次代に伝えていって欲しい、と思いつつ会津の地を後にしました (公文 大輔)

2012年9月 8日 (土)

福島/ 安積歴史博物館ほか、 震災復興修復見学会

9月8日(土)
福島県郡山市
参加:11名
 
 
 郡山市内で行われた震災による修復工事の見学会に参加しました。
 1件目の「安積歴史博物館」は、基礎布石のずれ、漆喰壁の脱落、床束の破損などの被害の修復工事でした。そのなかでも特に興味を惹かれたものは、漆喰壁の木ずり下地です。
桁側は長手方向で妻側は斜めに張られており、それも左右逆に取り付けられています(クロスしている)。筋違いの役目をしているのでしょうか。また驚いたことは、瓦と照明器具がまったく破損していないことです。その頃から避難通路確保のために、照明器具の落下防止が考慮されていたのでしょうか。ただちょっと残念だったのは、綺麗に建具
が揃って配置されているのに付け柱と位置がずれていることでした。これも何か意図するものがあるのでしょうか。など設計者の意図を聞きたいことがたくさんありました。
 2件目の「開成館」は、漆喰壁の脱落、かつて修理した柱の継手や梁の修復工事でした。外観は洋館風でしたが、外側に回廊があるなど、中はまるでお城のような感じでした。ここで感心させれたのは、文化財にもかかわらず、鉄骨を補強材として隠さずに、しかもさりげなく使用していたことです。発想の柔軟さはとても勉強になりました。
(山田いづみ)

2010年6月29日 (火)

福島県/南会津の山村散策と地元『囲炉裏端の会』との交流会

会場=福島県南会津町
期日=2010年5月29日・30日

週末の緩んだ空気に包まれた会津線・田島駅に降り立つと、人懐こい笑顔の原啓さんが出迎えてくれました。
今回は、茨城県土浦市在住の原さんが週末を過ごす南会津町の民家を訪ね、地元の「囲炉裏端の会」の方々と「民家を生かしたまちづくり」について意見交換し交流を図る1泊2日の企画でした。原さんは昨年郡山で開かれた民家フォーラムで、南会津町のまちづくりについて事例報告をされています。
参加者は、原さんご夫妻を含め14名。

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最初に向かったのは北欧料理店兼ペンションの「ダーラナ」。茅葺き屋根に白壁、アズーレ色のアクセントが異色。入り口には真っ赤な木馬・ダーナラホースがでんと構えていました。日本の民家を北欧風に改造した建物ですが、囲炉裏もあって泊り客の交流の場になっていました。

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国道を横切ると、原さんの再生民家がありました。この地方に多い曲がり屋(馬屋中門造り)です。原さんは車の雑誌で見かけた「ダーナラ」に興味を持ち、こちらに通ううちに、すっかりこの土地に見せられ、空き家となった家を手に入れて、出来るだけお金をかけず、地元の民家の廃材を入手して「民家再生」を続けながら、原スタイルとして素敵なセカンドハウスに改装して活用しています。
リビングに入れば、そこには黒光りする太い梁、柱、そして床。北面と西面の壁を開口した二つの大きな窓ガラスからはいっぱいに広がるさわやかな緑が迎えてくれます。カウンターに座ると、その新緑のなかの渓流と小滝が目に入り、それは額縁に入った1枚の日本画。背後には微かにジャズが流れ、心が解き放たれる気分です。
一段上の板敷きには、手入れの行き届いた囲炉裏が夜の出番を待っています。
原さんはすっかり近隣に溶け込み、この家に関わった地元の職人さん初め、多くの人々のパイプ役を担っているようです。


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散策時に立ち寄った再生途中の民家は、原さんの再生民家を設計された方が南会津が気に入り、仲間5人で屋根の抜け落ちた民家を借り受け、セルフビルドで工事をしているものでした。「男の隠れ家」として「集う・語る・遊ぶ」ことができればと、お金をかけないユニークな工事が進行中でした。今後の進行具合が楽しみです。


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夕方から始まった囲炉裏を囲んでの交流会には、地元の職人さんや都会から来て地元で働く若者ら「囲炉裏端の会」のメンバーが集まってくれました。何と言っても囲炉裏を囲む朝釣り上げた岩魚の炭火焼きが圧巻、そして地元旬の立派なアスパラの1本丸ごと揚げ等、食べ切れないほどのご馳走を頬張りながらの語らいの輪があちこちにできました。

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温泉宿「さゆり荘」に宿泊しての2日めは、まず奥会津博物館南郷館で雪国の生活文化を伝える民具の数々と2棟の民家を見学。
続いて、民家を改造した開店間近のカフェ&レストランを訪問しました。「囲炉裏端の会」のメンバーである造り酒屋「花泉酒造」さんが、原さんの民家再生に刺激されて取り組んだとのことです。お酒の仕込み水で入れたコーヒーと酒粕入りケーキをご馳走になり大満足でした。こちらの「ロ万」シリーズのお酒は都会ではなかなか手に入らない話題のお酒です。


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当日急遽追加した「前沢曲家集落」を見学。最後に会津祇園会館に移動し、郷土料理の一品が添えられた昼食をいただき、現地解散となりました。
南会津は初めてでしたが、川の透明度や景観の美しさに、また手入れの行き届いた家周りや鎮守の社に、まだまだ日本も捨てたものではないなと思いました。
ぜひ、また訪れたいです。
(千葉県・友の会会員 谷辺順子)

2009年12月10日 (木)

福島県喜多方市/「民家フォーラム2009」

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10月24日(土)、25日(日)の2日間にわたり、福島県郡山市にてJMRA主催の第12回「民家フォーラム2009」が開催されました。
今回のフォーラムでは、地域の歴史と文化である伝統的な民家を生かし地域の活性化を図る方策を探ることを目的に、「民家を生かす、地域をおこす」をテーマに掲げ、シンポジウムと民家ツアーを実施しました。
初日の24日には、郡山市内の安積歴史博物館(国指定重要文化財)(写真1)を会場にシンポジウム(基調講演と活動事例発表・討論)が開催され、全国および地元からJMRA会員をはじめ約200名が参加しました。
最初に、松山東雲短大の犬伏武彦教授による基調講演が「イギリスは、限界集落はなかった!」と題して行われ、参加者の感動を呼びました。

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会場を埋めた参加者 、基調講演をする犬伏武彦教授


続いて次の3名の方から活動事例発表があり、討論が行われました。
1.民家を地域交流ふれあいセンターに(山形市)
社会福祉法人やまがた市民福祉会理事 松浦猛将
2.日本一の蔵を生かしたまちづくり(福島県喜多方市)
NPO法人「まちづくり喜多方」代表理事 江花圭司
3.民家トラストで民家を介護・教育施設に活用(東京都西東京市)
㈱山田屋代表取締役 山田哲矢

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活動事例報告の松浦猛将氏, 江花圭司氏 , 山田哲矢氏,

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報告を受けての討論では、福島県南会津で活動している原啓氏から現地報告がありました。
シンポジウムに先立って、民家再生奨励賞の表彰があり、22件の民家再生に対し賞状とプレートが手渡されました。

また、民家再生事例のパネル展示、曳家協会による曳家実演が行われました。

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2日目の25日には、2コースのオプショナルツアーが組まれ、「蔵のまち喜多方を巡る」ツアーに40名、いわきの民家を巡る」ツアーに14名の参加がありました。

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喜多方の座敷蔵(大善家)、 喜多方ツアーの参加者

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来年の民家フォーラムは、岐阜県飛騨市で開催の予定です。