イベント報告

2015年2月 4日 (水)

鳥取/民家フォーラム2014 in鳥取 オプショナルツアー

11月2日(日)
鳥取県大山町・琴浦町
参加:44名

地元の方から“大山さん”の名で親しまれる大山の麓。清冽な水がのびやかな田畑を潤すこの地で、4か所の見学を行うことができた。

最初に訪れた大山町所子の伝建地区。今から245年前に建てられた門脇家本家は、所子唯一の茅葺き屋根。かつて西伯郡の約半分を監督したという大庄屋である。税務署のほか消防、警察の役目も果たしていて、大塩平八郎の残党を追う手配書も残っているそうだ。通常非公開だが、春と秋に公開見学会が開かれるとのこと。 興味深かったのは「神様の通り道」。賀茂神社から集落中央を縦断する延長線上は神様が通る所として、建物の建設を手控えてきた。いわば信仰のビスタラインだ。なんとものんびりとした空気は、こうした畏敬の念から生まれるのかもしれない。

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民家をコミュニティスペースとした『まぶや』。こちらの再生へ至る経緯は、大変参考になる。長年空き家であった建物に北村裕寿氏(JMRA会員)が惚れ込み、その魅力と活用法を所有者に粘り強く説明した。結果、所有者が町に寄付したそうだ。その後、町からの受託事業として、任意団体『築き会』がイベントスペースに改装。今やアーティスト、カフェ、移住相談所などが集まる情報発信、交流の場となった。譲り手、受け手、行政にとって「三方よし」の再生例だ。今後、この一帯がどんなふうに活気付いていくか見守りたい。

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琴浦町の光(みつ)集落では、道を行くと華やかな色彩と意匠に目を奪われる。集落じゅうの民家や蔵に、鶴亀、波、鯉、七福神など様々な鏝絵があしらわれているのだ。壁面のなまこの形も凝っている。もはや験担ぎという名目を超越し、作り手自身が生き生きと創作活動を楽しんでいる。そんな様子が伝わってくる見事な造形の数々だ。養蚕、たばこ、梨の生産で潤ってきたという光集落。経済面だけでなく、精神的な豊かさも感じさせる愉快な地区であった。

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最後に訪れたのは、塩谷定好写真記念館。日本の芸術写真界においてパイオニアとされる同氏の生家を保存している。家業は代々廻船問屋で、建物は明治40年ごろの築。建築費は今の価値で約1億円だそうだが、繊細さと柔らかさを兼ね備え、嫌味な感じがしない。2階の海を望む廊下は、氏が愛した場所。編み込み椅子に座ってじーっと外を眺め、雲が出てきたら写真を撮った。なるほど、風景写真には雲が多い。山陰特有のすっきりしない天候の象徴を、氏は“名優”ととらえた。故郷を撮ることにこだわり続けた原点は、ここにあるのだろう。

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いずれ劣らぬ個性的な建物群に大満足のツアーであった。(大澤憲吾)

2015年2月 1日 (日)

鳥取/民家フォーラム2014in鳥取 シンポジウム・イベント

11月1日(土)
鳥取県琴浦町・琴浦町農業者トレーニングセンター
参加:193名

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今回のテーマは「移住・定住促進に役立てる空き家の再生と活用」。シンポジウム第1部では、ふるさと情報館代表・佐藤彰啓氏の基調講演に続き、県内で地域おこし活動を行っている5団体・施設の長から報告があった。第2部のパネルディスカッションでは、移住・定住促進の取り組みや、移住者の暮らしぶりが披露された。



(以下、登壇者コメント一部抜粋)

◆光むらづくり協議会会長 豊嶋亥三男さん
鏝絵の密度日本一の光集落は、観光客が年々増えている。2013年度はガイド申し込みのあった団体だけで1300名。今後休憩所、民宿、体験施設などを整備していきたい

◆東京から琴浦町に移住 熊崎隆さん
「農山村ボランティアがきっかけで移住し、ナシの栽培をしています。こちらで結婚し、子どもが3人できました。結婚式のあと、家の前に「祝御婚礼」の横断幕が掲げられていて、人々の温かさに驚きました。これからもっと農業をする人に来てほしい。自然相手で大変ではありますが、やりがいのある仕事です。」

◆大山町企画情報課 松井明宏さん
「東京の相談会では、住居と職が見つかればすぐにでも移住したいという声がよく聞かれます。民家を早めに利用すれば、集落の活性化にもつながることを訴えていきたい。」

また、会場内では柿渋&一閑張り体験、はつりのデモンストレーションなども人気を呼んだ。(大澤憲吾)
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フォーラム会場風景     はつりデモンストレーション     柿渋一閑張り創作