イベント報告

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2012年4月

2012年4月20日 (金)

宮城/東日本大震災の現地・石巻を訪ねるツアー

4月14日(土)~15日(日)
宮城県石巻市、登米市
参加29名

Photo_7被災地へのそれぞれの思いを胸に、貸切バスにてJR仙台駅より石巻に向かいました。 市街地中心部の高台にある日和山公園に降り立つと、南面の麓から石巻港に至る一帯の建物が濁流と火災で失われ、更地になっていました。そして、集められたがれきの山がいまだに残っています。北側に下りると、商店街は建物は残っていても、1階内部が津波に侵され、再開できない店が多く見られました。


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バスは市街地を出て、北上川に沿って河口方向に向かいます。河川敷には葦原が広がり、新芽を促す火入れの炎と白煙が漂っていました。JMRA会員も幾度か葦刈りに参加した場所はもっと下流でしたが、そこは約1メートルの地盤沈下のため水面下になっていました。
多くの学童が命を奪われた大川小学校に到着。津波で破壊された校舎がむねんの思いと悲しみを伝えていました。河口から4キロ上流でこれまで津波の襲来がなかった地帯であったため、先生たちも適切な誘導ができなかったのです。学童73人、教職員10人が避難中に犠牲になりました。
小学校裏手の長面地区も巡りました。地盤沈下で田んぼが海に沈んでしまった場所であるため重機が入らず、多くの住宅が被災当時のままのいたましい姿で残っていました。


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続いて、北上川河口周辺から東に続くリアス式海岸の漁業の地域、北上町(2005年石巻市に合併)十三浜を訪ねました。
最初は、東京の工学院大学などの支援で建てられた白浜復興住宅。海を見下ろす高台に10軒。仮設住宅ではなく、将来買取りも可能な木造住宅です。その1軒に住む漁師の佐々木克弥さんが迎えてくれました。津波で家を失いましたが、今は12家族で漁業生産法人を設立し、ワカメやコンブの養殖を再開しています。さいわいワカメの生育が順調で意気軒昂、私たちも嬉しくなりました。
相川運動公園仮設住宅では、入居中の小山さんが話をしてくれました。高台移転の話合いが問題を抱えながらも進展しているとのこと。ささやかながら、ツアー参加者からの支援金をお渡ししました。
最後は、今回のツアーに全面的にご協力いただき、案内役を引き受けてくださったJMRA会員の建築家・佐々木文彦さんの住宅・事務所跡です。3階建ての建物でしたが、引き波が2階以上をRC造1階とつなぐボルトを引きちぎってさらって行ったのです。佐々木さんは集落の高台移転の世話役も務め、精力的に地域の復興に尽くしておられます。
宿泊は追分温泉、懇親会も盛り上がりました。



Dsc_0068_edited2日目は登米市に移動して、明治の洋風学校の代表格・旧登米高等尋常小学校など「みやぎの明治村」と町並みを見学。ここも地震で武家屋敷の門や店蔵の外壁などが被害を受けていました。蔵を移築再生した「東海亭」(佐々木さん設計)でウナギの昼食を摂り、帰途につきました。


【追記】追分温泉から「みやぎの明治村」に移動する途中で立ち寄った2件
●横山不動尊 全国三大不動尊の一つ。鳥居をくぐると、杉並木の先に白木の仁王門が現れる。背後に山を配した風景が旅情をかきたてる。本堂は気仙大工の名工・花輪喜久蔵の作。屋根の上に塔が見える。不動明王坐像は重文で、胎内には黄金の尊像が納められているという。本堂の前の池には天然記念物のウグイが回遊している。気仙大工の名工が作った建物を巡るツアーを企画してみたいと思った。
●スレート葺きの大きな民家 JMRA民家バンクに登録されている民家。地元登米産の天然スレート葺きで、軒の装飾が美しい。2階建てで床面積68坪、1・2階通しの天井が高い部屋が2間あり、豪華な造りである。つぶしてしまうのは、あまりにも惜しい。レストラン、食事処などの商業施設もいいが、あまり手を入れずにデイサービスなどの福祉施設に使えるといいと思った。

2012年4月12日 (木)

高知/土佐漆喰と重伝建・吉良川の町並みを訪ねる

3月3日(土)~4日(日)
高知県高知市、室戸市吉良川町
参加:12名

1_edited_3今回のツアーでは、高知県の東部、土佐湾沿いを車で巡りました。この地域の市町村が「土佐の町家雛まつり」を共同開催しているのに合わせて、水切り瓦(雨除け庇)のある土佐漆喰の町家・蔵を見学しようという企画です。
初日は、まず高知市内の料亭・得月楼にて四国地区会員集会を開き、次期理事候補に菅徹夫さんを推薦。その後、ツアーに出発しました。
最初は、漆喰の原料の石灰を製造する田中石灰工業(南国市)の工場見学です。独特の徳利型土中竈で石灰石を焼いて生石灰を製造、これを水和反応により消石灰に。これに稲わらを腐食させたスサを加えたものが土佐漆喰です。高品質の石灰を作る伝統的な工法に参加者一同感銘を受けました。
続いて、重文・安岡家住宅(香南市)を訪問。江戸時代後期の土佐の郷士住宅を代表するものとのこと。修復工事中でしたが、93歳という女主人が迎えてくれました。広い敷地内には畑もあり、蕗の薹が春の到来を告げていました。
桂浜を散策した後、懇親会は高知市内の浪漫亭。大盛りの皿鉢料理と土佐の銘酒で大いに盛り上がりました。

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2日目は本命の町歩きです。車で2時間、一路室戸市吉良川町へ。雛まつりで賑わうなか、地元町並み保存会会長の青木さんの案内で重伝建地区の町並みを歩きました。土佐漆喰の壁面に水切り瓦の列が層をなす町家や蔵が軒を連ねています。土佐漆喰の特徴は厚塗りが可能なこと、雨に強く長持ちすること。水切り瓦は台風常襲地の風雨対策ですが、実用にとどまらず軒先に鏝職人の技が施され、美しい景観を形成しています。また、高台の地区には、風雨に強い「いしぐろ」と呼ばれる石垣が連なり、これも独特の景観です。見学後は、地元の婦人たちが共同で運営する「べっぴんさんの家」で昼食。まちづくり活動の盛り上がりを実感しました。 その後、奈半利町、田野町、安田町の雛まつりを巡り、最後は安芸市の土居廓中へ。ここは江戸初期にできた武家の集落で、整然とした通路が残り、美しいウバメガシと土用竹の生垣が印象的でした。今年中に重伝建に選定される運びとのことです。 2日間にわたる盛りだくさんの企画に大満足でした。


2012年4月11日 (水)

神奈川/ 飯田邸 竹林整備ワークショップ

2011年12月16日㈯、2012年2月26日㈰
神奈川県横浜市港北区
参加:計13名

Photo_3 綱島の市指定文化財「飯田邸」に隣接する広大な竹林の整備を、一昨年から「民家お助け隊」で協力することとなった。12月のワークショップでは、折り重なる倒竹が行く手を阻む、うっそうとした竹林に、人が歩き作業のできる通路を開拓した。  2回目は道の奥側の急斜面にも踏み込んで、膨大な枯竹を処分していった。この日作業が終わる頃には、寒空の下にもかかわらず全員汗だくになり、あ たりを見回すと、竹林は青々と見違えるように美しく変貌していた。  春には訪れた市民にも竹の子掘りを存分に楽しんでもらえるだろう。  飯田邸竹林再生の使命は、もずっと続いていく。(西本佳代子)

東京/ 江戸唐紙見学会

2月9日㈭
東京都台東区
参加:33名
 

Photo 浅草通りにある創業320年以上の東京松屋を訪れました。
 希少な木版摺りの唐紙師である小泉さん親子による唐紙づくりの実演を通して、伝統工芸を受け継ぐ人の仕事に対する姿勢や、あらゆる人に江戸唐紙の良さを知ってもらいたいという想いが伝わってきました。
 小泉さんのご指導のもと、木版雲母摺り体験をしましたが、貴重な木版を扱うだけに緊張による手の震えで少し摺り残しのある1枚ができました。
 夢のような話ですが、自宅を建てる際に東京松屋の唐紙を一番目立つ場所に使ってみたいです。 (近藤まゆみ)

大阪/ 〈きんき民家塾〉 「和紙の歴史」  手すき和紙技術講座

2011年12月3日㈯
大阪府大阪市 
参加:26名

P1010012 会場は重文指定の綿業会館。講師は開館(1931 年)前年生まれ、江戸末期創業・福西和紙本舗五代目、吉野手すき和紙組合・組合長の福西弘行さん。終始、年齢を感じさせない迫力と地声で内容も多岐にわたった。材料や工程、幼少の頃、谷崎潤一郎、園遊会の話題など、特に鼻紙の件は懐かしかった。 最近では日常、和紙に触れる機会は少なく、せいぜい金封か便箋、障子くらいである。縦横によほど強く引っ張っても破れない吉野和紙の強度には驚いた。次回、和室の障子にはぜひ、使ってみたい。機会を得て、一度工房を訪ね、体験もしてみたい。先生にはお元気でいつまでも紙漉きを続けていただ きたいものだ。 (野村辰男)

東京/ 〈民家の学校〉 民家の明日~修了式

2011年12月4日㈰
東京都豊島区自由学園明日館
参加:50名

31 生活、技術、地域、土、木、森。さまざまな角度から民家を学んできた今期。最終回では民家の未来を考えます。ゲストはセルフビルドで民家再生を果たした武田一成氏。破天荒な行動力は大いに刺激となりました。午後は「民家の明日」をテーマに、ワールドカフェ形式の座談会。思いをシェアしたとこで各自作成した俳句を組み合わせ、春日統括作曲のメロディーに重ねて「校歌」となりました。「校歌」とは別に、受講生は修了式でサプライズソングをスタッフにプレゼントしてくれました。音に満ちた会場には、これまでお世話になったゲストの方々も加わり、スライドで思い出を振り返りつつ、一年間が締めくくられました。 (横川 超)

静岡/民家と森~ 森林体感ワークショップ

2011年11月12日㈯〜13日㈰
静岡県浜松市天竜区
参加:30名

7 民家の材料は何と言っても「木」。その故郷を訪ねて天竜美林にやってきました。到着早々の間伐体験。深い森の中で木の生命をいただき、家を建てることの重みを噛み締めます。宿泊は、廃校を再生した「にしうれ小学校」。音楽室での座学、地域の方が丹誠込めた郷土料理、受講生による能楽公演……と盛り沢山のなか、あっという間に就寝のお時間(?)。二日目は数百年にわたり森を守り続けてきた山持ちさんの古民家で、天竜林業の歩みと実情をうかがいました。裏山の古木と対面すると、百年後の国土のために何ができるか考えさせられます。その後製材所と素材屋さんのストックヤードを訪れ、立木が材木になる過程を学習。新月伐採と天然乾燥にこだわる天竜材の魅力に、みな虜になりました。(横川 超)

2012年4月 8日 (日)

東京/〈民家の学校〉民家の原点

4月8日㈰
東京都豊島区・自由学園明日館
参加:33名

P1030736 桜が満開に咲き、暖かい晴天のもと、「民家の学校」13期の第1回講座が行われました。今回は3つのワークショップが行われました。
 「民家のここが好き」では受講生の皆さんが理想に思っている民家の姿を絵や文字に書き出し、「この木なんの木」では民家の材などに使用される板
や枝葉に触れ、「民家と風土」では日本各地の特徴ある民家について学びました。すべてがグループでのワークショップでしたので、はじめは硬かった受講生の表情も、終わる頃には皆さん良い笑顔でした。 (松井勇也)

2012年4月 3日 (火)

大分/ 〈九州民家塾〉 福沢諭吉邸と 民家再生現場を訪ねる

11月23日㈬
大分県中津市
参加:19名

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 午前10時に大分県中津市の福沢諭吉旧居に集合。旧居、資料館を見学し武家屋敷通り、寺町通りを歩き、町並みや民家に触れました。この町並みが美しく保存再生されることを祈りつつ、福沢旧居に戻りました。
 その後、現地再生現場2か所と古材を使った新築現場を1か所見学しました。古材の利用や古建具の利用、欄間を組み込んだ工夫された建具やダイナミックな木組み、漆を使った仕上げの色合いの良さなど、とても落ち着く素敵な再生民家でした。施主の方からも住み心地の良さや、古民家の良さをお話しいただき大変、充実した体験でした。 (佐藤宏和)

大阪 /〈きんき民家塾〉 富田林市寺内町巡り

11月12日㈯
大阪府富田林市
参加:21名

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 重要文化財「杉山家住宅」の庭が見える座敷で、市文化財課の中辻課長より寺内町の説明を受け邸内を見学後、散策に出かけました。道路の辻々は「あてまげ」と言われ、直行せず敵が侵入した時、見通しを悪くする工夫がしてあります。明治に入り鉄道が発達し、国道や新しい道路が開通すると人の流れが変わり、町は活気を失いました。
 皮肉にも商業の衰退が幸いして歴史的町並みが残され、全国的にも例のない良好な状態で今日に語りかけています。大阪府下でこのように時代を越えた町並みが残り、重要伝統的建造物群保存地区があるとは思っていなかったと感激した方もいました。 (小原公輝)