イベント報告

« 2011年6月 | メイン | 2011年8月 »

2011年7月

2011年7月 5日 (火)

大阪/〈きんき民家塾〉特別講座「日本伝統木造の心」

2011年6月4日.
大阪市中央区
参加:65名

第一部:講演法隆寺管長大野玄妙氏笛吹市芦川町を訪ねる
第二部:対談「文化を守る」大野玄妙氏・奈良大学教授西山要一氏

R0023162

聖徳太子の教え「和の精神」は日本伝統木造の心に通じるとした第一部の講演は、参加者に深い感銘を与えました。
 太子は文化精神性を重視した仏教が日本に最もよく合い、仏教伝来が平和をもたらすものと考え、仏教を受け入れました。一方、神祇祭祀への信仰との共存を望まれました。今でも法隆寺の建築工事着工時には土地の大神に許しを請う儀式を行っています。
 木造建築として初めて世界遺産に登録された法隆寺は、太子が願われた和の心に通じるように思われます。世界遺産の周りでは戦争を起こすことはないと考えると、もっと沢山の世界遺産が登録されれば平和な地域が広がり、争いのない世になるのではないかと述べられました。

1

第二部の「文化を守る」の対談では、この30年くらいで日本の大気汚染が急速に進み、大仏殿前の金銅八角灯籠の火袋の音声菩薩は、輝いていた金鍍金が80年代には黄緑色の錆に覆われて痛々しい姿になり、保存修理が行われたことなどをお話していただきました。
 高松塚古墳の保存では、墳墓の土の上に植生していた樹木や下草の根が、下部の石室に何らかの影響があるのではないかと考えられ、植生を伐採してしまいました。そのため4mの厚さの土も太陽熱をもろに受け、石室内の温度や湿度が上がってしまったのではないかと危惧されているとのことです。
 正倉院の校倉の保存効果について、1日の温度差は外部で14℃くらいですが、校倉内部では4℃、櫃内部では2. 3℃になり、1日の湿度差も外部では55%くらいなのに対して、校倉内部は15%、櫃内部は1. 2%と低い値を示しています。校木の膨張収縮による温度・湿度の調節効果というより、木製の校倉と櫃の高い断熱性と吸湿性の効果があり、文化財を錆びせ、色褪せる原因となる大気汚染が内部に侵入するのを防ぎ、吸収浄化する効果があると思われます。
 日本伝統木造は古い文化財を守り、大気汚染という新たな問題に立ち向かっています。

山梨/〈民家の学校〉民家を生かす

2011年6月4日..5日.
山梨県甲州市塩山
参加:32名

3_2 4_2

1日目のワークショップは「古材deパッチワーク!」。石川工務所さんのイベント広場で、各グループが思い思いの古材を選んで手を加え、休憩小屋の壁を彩り、即興アートで古材に親しみました。

2日目は、手道具にこだわる雨宮棟梁がマサカリとチョウナを使って原木をはつっていく様子を見学。古材に残る刃痕のナゾも解け、古民家に籠められた手間ひまと思いの深さを再認識しました。
 訪問した再生民家はどれも新旧のデザインが共鳴する素敵な住まいで、いよいよ夢が膨らみます。民家再生の愉しさに胸ときめいた2日間でした。

大分/玖珠町茅葺き民家を巡る旅「桐箱職人・窯元を訪ねて

2011年5月14日..15日
.大分県玖珠郡玖珠町
参加:28名参加

Cimg3304_4 九州・沖縄地区では、14日の地区総会の前に、玖珠町周辺を散策しました。木造駅舎の豊後森駅舎と機関庫見学後、若き茅葺き職人井手荘和可さんの案内で、玖珠町に多く見られる茅葺きの上に杉皮を葺いた民家を訪ねました。

Cimg3361_2

翌15日には、九州民家塾による「日田・職人文化の里.桐箱職人 小鹿田焼き窯元を訪ねて.」を開催し、職人の作業場を見学しました。
(九州・沖縄地区運営委員会)

2011年7月 4日 (月)

長野/信州スタイル「ガーデニングと民家を楽しむ」

2011年5月28日(土)
長野県小諸市・上田市
参加:20名 

Photo_11 小諸駅前の停車場ガーデンとその後に訪ねた和久井ガーデンでは、これらを手がけた和久井道夫さんにお話をうかがいながら散策しました。女性に人気でしたが、ハンモックや、ツリーハ
ウス、炊き場など…男の遊び場もちゃんと作ってありました。
 午後は上田市にある夢の庭画廊のローズガーデンなどを見学しました。
 参加された方のコメントを以下に紹介します。「小諸駅前がガーデンになっていて、この駅はとっても感動できる。自分の庭を作るときは、ここを参考にしたい思います」「暮らしの最高のインテリアは、自然の姿だと感じます」「自分の体と自然の時計の刻みがシンクロしてとても気持ちのよい1日でした」

243208_155 Photo_12 Photo_14

(信州民家の会)

東京/<民家の学校>民家を探る・暮らしと技術のワークショップ

011年5月8日
.東京都西東京市・和のいえ櫻井
参加 : 30名

2

 訪問した「和のいえ櫻井」は、屋敷構えの残る武蔵野の古民家を再生した交流センター。介護と教育を通して人の対流を生み出し、文化を継承・創造する場です。グループに分かれての観察ワークショップでは、運営者の山田さんに聞き取り調査をしながら、主屋や土蔵を丹念に観察。伝統建築の奥深さと発見の歓びを受講生同士で分かち合いました。
 主屋裏のケヤキの木では、現在伝統工法ツリーハウスの工事が進行中。その現場で土壁造りを体験。1年近く寝かした土に触れて泥団子を作ったり、土壁の下地となる竹木舞を掻いり。「人はやがて土に還る。だから素材は、土が良い」。指導いただいた勝又さんの一言に思わずウットリ。民家の「厚み」を再認識できました。

神奈川/<民家の学校>特別講座・民家の魅力と風土

2011年5月7日.
川崎市多摩区 川崎市立日本民家園
参加 : 35名

1

 より多くの人に民家の魅力を知ってもらうために始まった「民家の学校」特別公開講座第一弾。日本民家園見学を通して、暮らしと技術の智恵を学びました。
 参加者は二手に分かれて園内を見学。文化財保存の専門家・大野敏先生のグループは、民家の構造や間取りの歴史的変遷を学び、民家は何の木でできているかも探りました。「民家の学校」前校長・大沢匠氏のグループは、わかりやすい解説で民家観察の醍醐味とディテールに潜む奥深さを実感しました。
 見学後の懇親会では民家談義で大いに盛り上がり、川崎の夜は更けて いきました。

長野/信州スタイル「民家ここだけの話」蔵に暮らす

2011年4月23日.(土)
長野県塩尻市・ 諏訪市
参加 : 21名

R0015684

土蔵や古民家の活用法を検討中の方が多く、会員外の熱心な参加もありました。 1軒目は上棟まで業者が施工、その後はセルフビルドで、「何点のできばえですか」との質問に、「不満が80点、しかし満足が180点でトータル100点」といわれ、不満もあるがそれ以上に満足度が高かったようです。

R00156911

2軒目は現地再生で、「古い物は隙間やねじれがあり完璧ではないが、自分自身も完璧な人間ではないので、なにか安心できる」との建て主の話に皆さんうなずいていました。 再生についての不満よりも、圧倒的に満足度が高く、前向きな考えを聞くことのできたよい1日でした。

(信州民家の会)

東京/<民家の学校>民家の原点~入学式

2011年4月3日.
東京都豊島区 自由学園明日館
参加 : 34名

年年歳歳花相似たり…明日館の桜は今年も芳しい匂いを放っていました。大震災から月、不安と悲しみに満ちた4月の日曜日。スタッフの熱意によって今年も開講することができました。まず全員で黙祷を捧げ、暮らしの原点を見つめ直すこの学舎から、明日の日本を切りいていくことを誓いました。
Photo_10   民家の原点についての校長講義に加え、自然と人間共存について研究する古林先生をゲストに招き、暮らしと国土の相関について考えました。その後各班に木片と木の枝を配り、何の木か当ててもらいました。また班ごとに、民家の魅力について討論・発表しました。ワークショップ型の授業で、仲間との親睦を深めた1日でした。

栃木/宇都宮の再生民家見学会

2011年3月6日.
栃木県宇都宮市
参加:8名

Photo_9

 青空の下に建つ赤い銅葺屋根のどっしりとした民家に圧倒され、その美しさに立ち尽くすばかりでした。
 施主、設計者のGプランニング(JMRA正会員)、施工者からそれぞれ説明を受けました。漆喰壁、1階2階の床暖房、落ち着いた仏間、広く明るい2階の子供部屋など、すべてが住まう人の立場にたって作られ、また広い濡れ縁、大谷石の土間などご近所とのコミュニケーションの場も考えられており、施主の考え方が貫かれていました。
 「民家再生」は、単に古い家が美しく再生されたということではなく、家族の生活の中で大事なことや思想を再生・引き継いでいくということを改めて認識することができました。

(文化企画部会)