イベント報告

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2010年5月

2010年5月11日 (火)

神奈川県/「望湘の蔵」移築再生見学会

会場=神奈川県茅ケ崎市
期日=2010年3月14日(日)

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イベント当日は、朝からわくわくしていた。移築再生で、蔵がどのように変身しているのか、とても興味があったからだ。
現地に着いたときにはすでに、多数の参加者が集まっていた。受付を済ませてから、建物の全景が見える位置まで下がって、はっとした。外観からは、蔵を感じることができないのだ。近づくと玄関の大戸だけが蔵を予感させてくれた。大戸を開けて中に入ると、様相は一変。そこには120年の時が存在している。漆で塗られた柱と梁による木組みの構造は、力強く美しい。床板は新しい材料だ違和感がない。
また、本来の場所ではない位置に古い建具や古材が積極的に利用されているが、その位置に馴染んでいるから不思議である。
露天風呂のように開放的な浴室は、外からの視線にも気配りがされていて、入浴を楽しめそうだ。


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2階への階段を上がると、声が出るほどの驚きである。外観からは想像できなかった蔵の骨組みが目の前に現れた。全体の大きさも感じることができる。太い棟木に丈夫な垂木が等間隔で掛けられている天井は見事であり、漆で塗られた構造材に囲まれた空間は、力強さと美しさに満ちていた。
蔵を自由自在に操り、構造的な制約を乗り越え現代の生活スタイルに合わせた間取りや配置は、設計者の知識と感性の表れであり、蔵の可能性を現代に示した住宅ではないだろうか。
ひと通り見学し、バルコニーに出た。ここからの眺望は「望湘の蔵」の名称にふさわしく、街の様子や、遠くには江の島を望むことができる。ここは、至福の時を感じさせてくれる舞台である。傍らの二脚の椅子は、家族の未来を見ることができる特等席のようであった。

(神奈川県・正会員 岩間幸司)

長野県/民家ツーリズム・オープン民家 in 信州上田

会場=長野県上田市
期日=2010年2月6日(土)、7日(日)

上田市の塩田平は「信州の鎌倉」と言われ、平安・鎌倉時代の歴史遺産が数多く残っている。 参加者一六名は、10時にJR上田駅に集合した。

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最初に向かった手塚地区は独鈷山 のふもとに広がる田園地帯にある。訪問した民家は、越屋根のある築一130年の養蚕農家で、現在家主は住んでおらず、地元のイベントなどに使われている。そこを「道祖神祭り」の会場として、地元の人たちと一緒に餅つきを楽しんだ。幽玄な独鈷山を背景とした民家集落は、おりからの降雪と相まって一面の銀世界。墨絵のような幻想的な風景であった。 つきたての餅を賞味した後、手塚地区の集落を散策し、別所温泉へ移動した。 (写真は寒さを忘れ、地元の人たちと一緒に餅をつき共に食べる) 別所温泉は、古くからの湯治場で弘法大師や真田幸村ゆかりの湯などがある。各自好きな名湯を楽しんだ後、今日の宿泊民家「マルタの家」に向かった。 ここはご当主がリタイア後、民家をペンション用に再生した家である。夜は北欧製の大きな薪ストーブを囲み、ご当主の知人であるシェフが腕を振るったイタリア料理をいただきながら、ここでの暮らし方などをお聞きして、楽しいひとときを過ごした。

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二日目は、素晴らしい快晴となり、参加者一同、はりきって目的地の野倉地区に向かった。野倉地区は独鈷山の裏手にあり、美しい山々を背景に民家が点在し、懐かしい里山風景が広がっている。 ここでは、オリジナル玩具を自作し販売している銀河工房を訪れ、木工民芸品や地元の昔話のビデオを鑑賞した。次に明治33年築の茅葺き民家を訪問した。「ペチカ」は日本では珍しいが、これを自作し、使いこなすまでの苦労話をお聞きすることができた。(写真は前日からの雪で墨絵のような風景が広がる手塚地区) 午後には2件の茅葺き民家を訪問。最初の家は、比較的小規模な茅葺き民家を現代風に再生してある。天井部まで漆喰が塗られ、窓は三重ガラス、そして薪ストーブを使用していた。大寒のこの時期でも室内は極めて暖かく、窓際で小さいお子さんが楽しそうに遊んでいたのが印象的であった。 2件目は現在、再生途中で、自分の手で民家を再生することの楽しみや、懐かしい「だるまストー ブ」での暖房方法などについて見聞した。  今回のイベントでは、二日間で六か所のオープン民家を訪問した。 実際に見聞または体験することにより、寒い時期の民家での暮らし方、楽しみや苦労または暖房などの工夫について知ることができた。大変有意義な「民家ツーリズム」であった。 

(東京都・正会員 仙石正行)


長野/民家に住みたい方のための古民家移築再生体験会

会場=長野県諏訪郡富士見町
期日=2010年1月16日(土)
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古民家移築再生体験会の第一回目に参加しました。
見学場所は、南アルプスを望む富士見町。このイベントは三回にわたって古民家移築再生の過程を体験できるのが魅力でした。 今回の見学の現場は、建物の骨組みだけの状態で、部屋を区切る壁はまだありません。そのため、組み立てられた材の様子を見渡すことができました。古民家の移築再生ということでしたが、梁や柱などをよく見ると古材を継ぎ足していたり、新しい木材を用いている箇所が所々にありました。しかし、全体としては古材で統一された印象を受けました。新しい材には、塗料を塗って古材に馴染ませているとのこと。古い材を加工したり、新しいものと組み合わせて全体を演出しています。
ほかにも、古民家の雰囲気を伝える工夫が随所に施されていました。古いものを残しながら新しい何かを生み出していくことが「再生」なのだと実感しました。
見学後は、古材を利用して建てられた喫茶店「夢屋」さんにて野菜中心のおいしい昼食をいただきました。ステンドグラスと古材の組み合わせで温もりあふれる店内になっています。参加者の方々との交流も新鮮でした。
見学中は、JMRA会員の田空間工作所のみなさま、現場の職人のみなさまに大変お世話になりました。ありがとうございました。

(東京都・友の会会員 鵜飼訓子)