イベント報告

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2010年3月

2010年3月 6日 (土)

山梨「古里庵」一坪小屋の組み立て実演

会場=山梨県甲州市
期日 =2009年12月13日(日)

Photo_15「JMRA山梨民家の会」の企画で行われた今回のイベントには、20名ほどが参加しました。 
この小屋はもともと三年前に、甲州市塩山在住の雨宮国広さんが製作されたものです。川崎市立日本民家園に保存されている多摩川の船頭小屋を模した一坪の小屋里庵」)です。
今回のイベントは、この小屋を市内塩山にある「福々亭」の前庭へ移築する作業の見学です。
雨宮さんは「どんな木でも生かす」をモットーに、手道具のみで、自分たちで伐りだした木を使った家づくりを実践されています。今年の八月にも、移動組み立て式で三坪の茶室を、持ち寄った手道具で造る準備をされているとのことでした。
 小屋の組み立ては、垂(たる) 木(き) の固定以外は釘を使わないもので、一人でもできるとのことですが、今回は短い時間で仕上げるため二人での作業となりました。あらかじめ、土間に埋め込まれた玉石の上に土台を回し柱を立てますが、柱、梁、桁行の組み合わせは、鳥居と同じとのことで、小さな小屋でも構造はしっかりしていると関心しました。竪(たて) 羽(いた) (め) (は) 目板は、曲がりのある部材に合わせて切られていて、番付順にはめ込み形ができてきたところで、一昨年現地再生した主屋で
昼休みとなりました。
昼食は弁当と、参加者の子どもさんがおこしてくれた竈の火で温かいけんちん汁をいただき、体も温まったところで午後の屋根部の作業見学です。
野(いた) (じ) (の) 地板を葺き、建具を取り付けて作業は終了。杉皮葺きは後日ということになりました。
参加者が順次内部を見学。細丸太を使った庇の垂木や、木(き) 小(まい) (こ) 舞の見える天井と古い茶箪笥の戸を使った小窓の雰囲気は、船頭小屋というよりは茶室の趣です。
その後、雨宮さんより日本の斧と西洋の斧の違いや、古代の石斧や鉄斧での力の入れ方など、実演を交えて教えていただきました。
木の先端部まで「生かす」(使い切る)ことは、自然からいただく木材を大切に使う心だと教えられました。

(埼玉県・友の会会員 中川淳一)

京都「民家ツーリズム・オープン民家in京都綾部」

7会場 =京都府綾部市
期日=2009年11月22日(土)・23日(日)

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 民家に宿泊体験する「民家ツーリズム」と地域の古民家を利活用した住居や店舗を見て歩いたりする「オープン民家」に参加するため、主人と私は紅葉の中を茅葺き民家のお宿「綾部吉水」に向かってひた走りました。「通り過ぎた? それとも道を間違えた?」と一抹の不安に駆られながら奥へ奥へと進むと、ありました! 自然の懐に抱かれた茅葺き屋根の宿。フカフカの落ち葉の庭を横切って静かな佇まいの玄関を入ると、大きな囲炉裏が私たちを迎えてくれました。
 参加者が自己紹介をした後、綾部在住のカナダ人陶芸家トレーシー・グラスさんを訪ねました。レンガ造りの工房兼自宅には、独創的で渋い色合いのさまざまな器が並んでいました。カナダ風の建物の奥には陶芸に使う土を保管したり、釉(ゆうやく) 薬を調合するための工房と大きな窯がありました。煙突のあるレンガの建物がどのように里山に溶け込んでいるか見たかったのですが、すでに辺りは真っ暗でした。
 宿の夕飯は、囲炉裏を囲んで地鶏の豆乳鍋をいただきました。肩を寄せ合いパチパチはぜる火を見ながら食べ語らう囲炉裏端は、ほんとうにすぐれた交流の場です。
 
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Photo_14翌朝は快晴。オープン民家の最初は、週末を過ごされるというご夫婦が再生した古民家です。茅葺きの民家と洋風な庭園が意外に合います。室内は、昔懐かしい趣きを残しながら同時にとてもお洒落でした。
次は、セルフ・ビルドで再生中の民家でした。建て主は大阪から綾部に通いながらの挑戦です。完成の頃に再訪して苦労話、楽しい話などをお聞きしてみたいものです。その方の想いがどのような形になっているか、とても楽しみです。
大阪から綾部に移り住み、定年後の自由を満喫されている方のお宅では、お手製の露天風呂や空中ブランコなどなど、遊び心にあふれた暮らしぶりが楽しかったです。  
 最後は、古民家に暮らしながら地元の仲間と手造りした石窯でパ ンを焼いたり菜園での野菜づくりを楽しむ方のお宅です。主屋の縁側には陽がサンサンと射していました。眼下に里の風景が広がり、膝に猫でもいたら一日この縁側で
飽きることはないでしょう。
 実は、私も最近奈良県宇陀市に古民家を手に入れました。今回のイベントに参加し、たくさんのヒントをいただきました。それを活かしながら自分たちのリフォームにボチボチととりかかろうと思ています。

(奈良県・友の会会員 植田由貴江)

神奈川 「民家再生見学会」

会場=神奈川県横浜市
期日=2009年8月1日(土)

8月1日、JR横浜線の中山駅に集合しました。
今回お伺いするお宅は、2世帯住宅です。以前住んでいた住宅の一部を再生したいという希望からJMRAと関わることになり、部材として東京奥多摩の木を使用したことから「東京の木で家を造る会」とのコラボレーションによる見学会となりました。
大工をしていたお爺様が1937年(昭和12年)に建てたこともあり、思い入れの多い家を部分的に改築するという方向からも考えていたそうですが、思い切って古材を組み入れた新築に踏み切ったということでした。
坪庭が見える贅沢な玄関に入ると豊かな木の香り。床のほとんどは無垢材を使用し、壁は漆喰。リビングには新材で八寸の大黒柱を入れ、伝統工法による仕口、継ぎ手を用いた様子が見えました。お母様の部屋は古材を多用して、とてもきれいに復元されており、大工さんの腕の良さを感じました。
新材は東京産の木のみを使っていることから木にまつわる話が多く、地場の木材を使用することの大切さについて考えさせられました。
この工事に携わった方々も、当日参加されていましたが、この家を建てることについての話をする際に自分のできの良い子どもの自慢話をしているようで、聞いている私も嬉しくなりました。
構想に3年、施工に1年(刻みに3ヶ月)の大プロジェクトを振り返り、「一家の文化祭」と称した建て主さんの嬉しそうな、そして祭りの後の少し寂しそうな顔が印象的でした。
(埼玉県・友の会会員 松田真理子)