64号(2009年1月発行)
雪に覆われる民家の里撮影=桜庭文男
巻頭インタビュー
100年もつ家を建てる
天文学者
池内 了
伝統構法で家を建てて10年になります。伝統構法にしたのは、生まれ育った姫路の家が築100年ほどの民家で、そこへの憧憬もあった気がします。また、100年はもつ家でないと資材のムダだと考えました。伝統構法では100年もつ技術が確立されています。大工さんたちは科学用語は使わないけれども、経験知として、何が大事かをよく知っています。
もう一つ、伝統構法の家のほうが部屋替えや模様替えが比較的簡単にでき、融通がききます。100年ということは、親・子・孫と、三代使うわけですね。そうすると、考え方の違う人間も住むようになりますから、柔軟性も重要です。
寒さを心配する人もいますが、私はむしろ、完全機密式の家はおかしいと思っています。エアコンで完全にコントロールして自然から切り離された生活をするのは非常に人間らしくない。夏は暑く、冬は寒いものです。そういう中で日本人は生きてきたのですから、それを受け入れるべきだと思います。寒かったら洋服を重ね着すればいいんですよ。(後略)
いけうち・さとる
1944年、兵庫県生まれ。京都大学大学院理学研究科博士課程修了。現在、国立大学法人総合研究大学院大学理事。名古屋大学名誉教授。世界平和アピール7人委員会の委員でもある。。
著書に『お父さんが話してくれた宇宙の歴史1~4』(岩波書店)、『わが家の新築奮闘記』(晶文社)、『時間とは何か』(講談社)ほか多数。
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<目次>
- 「民家フォーラム2008」特集
住みたいねん!! 古民家に……宇陀路で考える民家の活用 - シンポジウム/基調講演 暮らしと家と私 / 宇多滋樹
- シンポジウム/パネルディスカッション
宇陀路で考える民家の活用
パネリスト/太田三千男・久保順平・関根英治・田川陽子・コーディネーター 小原公輝 - 特別会員・筑紫哲也さんを追悼して 佐藤彰啓
- シリーズ 民家の宿、民家の店 リストランテ「ラ・バリック」/ギャラリー・蕎麦処「苔泉亭」
- 民家再生事例 町の風景に溶け込み、人が集う家 徳島県鳴門市橋野邸 樫原寛治
- 夢をかなえて 仲間とともに自然の恵みを楽しむ日々 相澤征雄
- 失われゆく茅葺き民家を撮り続けて
―写真集『茅の家―雪国の古民家』の出版に思う― 桜庭文男 - 英国コッツウォルズ地方の家々を巡る 西本佳代子
- 全国空き家活用シンポジウムin江津
―空き家の利活用による地域再生と定住促進― - 「JMRA民家バンク」情報
- 民家ネットワーク
- 書籍紹介 『伝統技法で茅葺き小屋を建ててみた』
- JMRAイベント報告
神奈川/茅葺き民家でビアパーティー(神奈川県横浜市港北区)
千葉/登録文化財の民家でアロマ講習会(千葉県四街道市)
長野/諏訪の町並み見学とシンポジウム(長野県諏訪市)
東京/古民家で茅葺き再発見(東京都台東区)
神奈川/秋深まる箱根で茅葺き体験(神奈川県足柄下郡箱根町)
長野/晩秋の安曇野、造り酒屋と屋敷林の見学(長野県安曇野市) - 二〇〇八年度第一回JMRA登録業者の会レポート
- 小さなかやぶきの里をたずねて 山口県山口市仁保 森田伊佐
- 事務局ニュース




奈良県都祁村白石
伊根の舟屋
夏の陽を浴びる蔵壁と民家
早苗田に映る民家

