情報誌「民家」

« 60号(2008年5月発行) | メイン | 62号(2008年9月発行) »

2009年7月23日 (木)

61号(2008年7月発行)

Cover_61 夏の陽を浴びる蔵壁と民家
撮影=柳下征史

巻頭インタビュー
今こそ「木の文化」の国に

日本民家再生リサイクル協会代表理事
佐藤彰啓

僕は、10年くらい前から新潟県三条市で築約130年の民家を拠点として活動するNPO「しただテラ小屋」の運営にあたっています「初心忘るべからず」は、世阿弥の言葉ですが、故観世榮夫会長の座右の銘でもありました。

JMRAは、昨年創立10周年を迎えました。1997年1月、山梨県牧丘町で「民家再生セミナー」を開催し、それと同時に「民家再生の全国的なネットワークをつくろう」との呼びかけをしました。その呼びかけは、再生された民家や取り潰されようとしている民家の写真とともに、日経、朝日、読売の新聞各紙に報道され、全国から1000件を超える問い合わせや賛同の電話が殺到しました。ひとつの情報が大きな反響を呼び起こし、それは「新しい民家再生の時代を創る」幕開けでもありました。

当時の状況は、化学物質で固められた工場生産の住宅が全国を席捲し、日本の自然、歴史や文化から生まれた民家が片隅に追いやられていました。シックハウスや建築廃材による環境悪化が大きな社会問題となりつつある時代でした。
JMRAの誕生により、全国の民家再生の情報が集まり、マスコミを通して「民家のよさ」が広く伝わるようになりました。JMRAが「民家のナショナルセンター」としての役割を果たすようになりました。現在では「民家再生」は、ハウスメーカーでさえ営業用語として使う時代です。

かつては、民家所有者の中に「民家は過去の負の遺産」との見方も多くありましたが、近年、民家所有者による現地再生が増えています。これは民家への社会的関心の高まりの中で、所有者自らがその価値を再認識し、「次世代に残すべきもの」との意識の変化です。これがなくては民家は残りません。その意味で民家を残す大きな埠頭を築きつつあるといえます。また、若 い世代に民家の人気が広まり、都市部の町家を賃貸で借りることがブームにもなっています。
10年前と比べると、民家への関心は格段に高まっていますが、一方では取り壊される民家が多いのも現実です。(後略)

全文を読む(pdf)

Face_61

さとうあきひろ

1944年、岐阜県生まれ。早稲田大学法学部卒業後、農村雑誌『家の光』にて全国各地の農業問題、農村文化活動に携わ る。その経験を踏まえ1990年に都会の人々の田舎暮らし実現を支援するため 「ふるさと情報館」を設立。その運営会社である㈱ラーバン、㈱ふるさとネット代表取締役。 田舎暮らしを実現する情報誌『月刊ふるさとネットワーク』発行人。JMRA初代理事長(97年9月~2000年11月)、2008 年5月にJMRA代表理事に選出される。

    <目次>
  • わが地域の民家(4) 甲州民家のいろいろ 石川重人
  • 民家の生きるまちづくり(22) 庄屋屋敷を地域活性化の拠点に   ―長野県伊那市富県「伊那庄屋館」―
  • 民家再生事例 イギリス流で残す山間の農家 京都府京田辺市S邸 奥山淳三
  • この人この仕事/工房探訪 風呂桶づくり 宮原信一さん 
  • 小さな島の小さな挑戦 ―民家再生による沖縄・伊是名島の島づくり 納戸義彦 
  • 「JMRA民家バンク」情報 
  • 民家ネットワーク 春・夏・秋・冬 
  • 書籍紹介 『どぞう』『平成解体新書』
  • シリーズ 民家の宿、民家の店 手打そば「車屋」/ギャラリー「梨の木畑」
  • JMRAイベント報告
      民家バンク登録民家見学会(東京都大田区)民家の絵画教室・写真教室(神奈川県川崎市・横浜市)
      織物の町 桐生を歩く(群馬県桐生市)「甲州民家」現地再生工事見学会(山梨県甲州市)
      生家の古材を受け継いだ里山の住宅見学会(埼玉県所沢市)「東海民家の学校」報告
  • JMRA第5期役員決まる 
  • 小さなかやぶきの里をたずねて 秋田県南秋田郡五城目町馬場目・北ノ又 森田伊佐
  • 事務局ニュース