58号(2008年1月発行)
秋田県仙北市旧田沢湖町の民家撮影=桜庭文男(JMRA会員)
巻頭インタビュー
現代の暮らし方と整合した民家を
インテリアデザイナー
内田繁
日本には、四季の変化を繊細に感じ取り、野山に出かけ、季節の味覚を楽しむ文化があります。こうした感覚は、伝統的な坐る生活によって育まれてきたと考えています。
人間は坐ることによって、身体が安定して心に静けさが戻ってきます。静けさのなかで感じるもの、それは周囲の自然です。光、風、水……、あらゆる自然を身体に入れることができます。かつての日本人は、生命あふれる森林に囲まれていました。
韓国も坐る文化の国ですが、日本の家が木で造られているのに対して、土で造られています。これは主に建築用材の違いによるものでしょう。あちらで多く産出されるマツは幹が曲がって伸びるので、建築の主要構造材には向いていません。それに韓国は寒さが厳しいですから、この意味でも土であることが正しい選択なんですね。
一方、日本ではケヤキやヒノキといったまっすぐに伸びる木が使われます。こうした、まっすぐな用材が、垂直性・水平性がしっかりした建築デザインを発達させました。(後略)
うちだ・しげる
1943年横浜生まれ。東京造形大学、桑沢デザイン研究所客員教授。商・住空間、家具、工業デザインから地域開発に至る幅広い活動を国内外で展開している。代表作に山本耀司の一連のブティック、神戸ファッション美術館、茶室「受庵・想庵・行庵」、門司港ホテル、オリエンタルホテル広島ほか。2007年春の紫綬褒章受章。メトロポリタン美術館等に永久コレクション多数。著書に『インテリアと日本人』『普通のデザイン』など。
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