情報誌「民家」

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2007年1月 1日 (月)

52号(2007年1月発行)

昭和45年頃の旧山古志村の雪下ろし(新潟県長岡市山古志)『写真集 山古志の人々〜前編〜』より
撮影=外山和雄

巻頭インタビュー
民家は心を解放する

映像人類学
姫田忠義

私は1961年から45年間にわたって日本列島各地を訪ね歩き、人がどうやって暮らしているのかを記録し続けています。民家を焦点とした記録が目的ではないですが、のっぴきならずそこに家が存在しています。要するに、人間が地球上で生命を持続していくために必要なシェルターが家だからだろうと思います。

民家に関して貴重な体験をさせてもらったのは、世界遺産になった白川郷で合掌造り民家の解体移築を記録したことです。その構造は、大地に石を置いてその上に柱を立てるのですが、固定せず柱は石の上に乗っているだけです。その柱を上にたどっていくと、屋根材の先端が乗っている。結束はしてありますが、これも固定はしていない。だから冬に風速20メートルもある強い北風を妻側から受けると、構造体そのものが二メートルも傾くといいます。そして風がやめば元に戻る。そのときにギュギュギュとものすごい音がするそうです。たいへんな復元力です。このような建物からは人間の知恵、あるいは何か生命の原理のようなものを考えさせられ、とても勉強になります。(後略)

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ひめだ・ただよし

1928年兵庫県神戸市生まれ。旧制兵庫県立神戸高商(現兵庫県立神戸商科大)卒。54年上京して、新劇活動、テレビのシナリオライターのかたわら民俗学者宮本常一氏に師事。61年から映像による民族文化の記録作業をはじめ、76年民族文化映像研究所設立。以来、同研究所所長。89年フランス芸術文学勲章オフィシエール受勲。98年第7回日本生活文化大賞個人賞受賞。徹底したフィールドワークを基礎とするその活動は、日本記録映画史においてもユニークな立場を築き、海外の研究者からは「映像人類学」と捉えられている。フランス・コレージュ・ド・フランスとの共同作業やハーバード大学での講演・上映会など、姫田忠義と民族文化映像研究所のフィルムは世界各地にも出かけている。

  • 「民家フォーラム2006」特集
    • フォト・レポート 福山市沼隈にのべ800人が集う
    • シンポジウム「民家から考える暮らしと地域の再生」
      講演 語りつぎたい日本の心と技と美しさ 宮大工・人間国宝 松浦昭次
      パネルディスカッション報告 民家から考える暮らしと地域の再生
    • ミニセミナー報告
    • 民家ツアー報告
    • オプショナル民家ツアー報告
    • 民家フォーラムに参加して
    • フォーラムを振り返り、これからのJMRAを展望する 藤本政彦
  • 新潟県中越地震・被災住宅修復支援活動を振り返って 長谷川順一
  • 民家再生事例 職人の技で家の記憶を残す 福岡県古賀市 安武邸 照井善明
  • 10周年記念企画シリーズ 10年前からJMRAにこの人あり 安井啓子
  • 古材利用のアイデア(4) 石川重人
  • 民家ネットワーク 春・夏・秋・冬
  • 「JMRA民家バンク」情報
  • JMRAイベント報告
  • 第1回「民家再生奨励賞」が決まる
  • 小さなかやぶきの里を訪ねて 森田伊佐