情報誌「民家」

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2006年5月 1日 (月)

48号(2006年5月発行)

西周(にしあまね)の生家(島根県津和野町)
撮影=長谷川和男(JMRA正会員)

巻頭インタビュー
昔の暮らしは今に繋がる

民俗学写真家
須藤功

新潟中越地震の後、三十数年前に撮った山古志村の写真をまとめて出版しました。初めて山古志に入ったのは、昭和45年の11月です。教えを受けていた民俗学者の宮本常一が村長から村興しの協力を依頼され、私が調査に行くことになったのです。当時の山古志は茅葺き民家が多く、蓑笠を使う古い生活が残り、冠婚葬祭も隣近所が協力しながら行っていました。それらを見ることができたのは、私の人生にとても役立っています。

昔の生活について多少なりとも書き残しておけるのは、私より上の世代です。だから今、誰かが語っておかないといけない。これを見て「今にどう繋がっているのか」と考えてくれる人が一人でもいたらいい。

しかし、昔のことについて「懐かしい」という形容詞がつくのは好きではありません。高度経済成長期以前というのは、貧しかったけれども心は豊かだった。ただ懐かしむだけでなく、「なぜ心が豊かだったのだろうか」ということを考えてほしい。その時代の人たちが何を考え、何を楽しみに生きていたのかを想像し、感じとってほしいのです。(抜粋)

すとう・いさを

1938年秋田県生まれ。日本観光文化研究所において所長の民俗学者、宮本常一の指導を受けながら、庶民の生活を写真で記録するとともに生活史研究のために全国を歩く。著書に『山の標的-猪と山人の生活誌-』(未来社)、『葬式-あの世への民俗-』(青弓社)、『写真ものがたり昭和の暮らし』(農山漁村文化協会)、共著に『昭和の子どもたち』(学習研究社)、編著に『写真でつづる宮本常一』など。2005年10月、新潟中越地震復興を願い、昭和46年に山古志村で撮影した写真をまとめた『写真集 山古志村』(農山漁村文化協会)を出版。山古志地区全戸に寄贈した。

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