情報誌「民家」

« 41号(2005年3月発行) | メイン | 43号(2005年7月発行) »

2005年5月 1日 (日)

42号(2005年5月発行)

若葉薫る(京都府美山町)
撮影=稲垣喬方

巻頭インタビュー
普通の民家を残したい

作家・エッセイスト
甘糟幸子

私は子どものころから一つのものを長く使うのが好きでした。ですから、家も住みなずんだ古い家のほうが落ち着きます。

鎌倉は空襲にあわなくて、木造の実に美しい民家がたくさん残っていました。ところが、この二、三年、古い民家が急に壊されています。

太い柱の合掌造りは、これからも欲しい人が現れるでしょうから、心配していないのです。むしろ、町の大工さんが日本の技を使って作った普通の民家をなんとか持ちこたえられないかということに私は関心があります。

胸が痛むのは、鎌倉でもいい家だなと思うものが、乱暴に重機でもって壊されてしまうことです。今では出来ないだろうなと思う障子とか下地窓とか、家具までが建物と一緒に一瞬にしてつぶされてしまうのがすごく残念なのです。

建物は個人の財産ではなくて地域の財産であると考えて、家をつぶすときには何日間か公開して捨てるものを陳列しなければいけないというような条例は作れないでしょうか。ただ潰してしまうのは「もったいない」。

私は、倉庫を作って、そういうものだけをちゃんと管理している会社の話を次の小説に書いてみたいと思っています。(抜粋)

あまかす・さちこ

1934年静岡県生まれ。出版社系週刊誌の草創期にフリーライターとして活躍。結婚後、鎌倉市稲村ガ崎に住み、草花を育て、ナチュラリストとして植物に関するエッセーを書く。30年前、自宅の一部に合掌造りの民家を移築。著書に『野草の料理』『野の食卓』『花と草木の歳時記』、近著に小説『楽園後刻』がある。

  • 第5回民家トラストセミナー ナショナル・トラスト運動の理念と実践
    • 講演1 ナショナル・トラスト運動の歩みと現状  (社)日本ナショナル・トラスト協会名誉会長 木原啓吉
    • 講演2 旧モーガン邸の保存運動に取り組む  「旧モーガン邸を守る会」世話人 佐藤里紗
  • JAPAN2001 3周年記念リレーエッセー(3)今は「民家が好き」と胸を張れる  春日井真記子
  • 中越地震被災地で「建て起こし相談会」  長谷川順一/佐藤英夫
  • 民家の生きるまちづくり(11)古い芝居小屋が町を変えた 熊本県山鹿市  城恵一
  • 民家再生事例 民家再生は周囲の理解を得ることから 栃木県足利市 三田邸  岡村建一
  • ニッポンの林業−山と木の話(4)林業と製材業の現場から  杉岡世邦
  • 茅葺きの里、茨城県八郷町 茅葺屋根保存会との交流会を実施して  清沢和弘
  • 民家ネットワーク 春・夏・秋・冬
  • 「JMRA民家バンク」情報
  • シリーズ 民家の宿、民家の店 そば処「かつみや」/食事処「蔵 柏屋四郎右衛門」
  • JMRAイベント報告
    首都圏地区全員集会−まちあるき(東京都台東区・文京区)
    第2回茅葺きボランティア養成技術研修(山梨県塩山市)
    民家ロッジ「ギャラリーひだまり」で春を楽しむ会(山梨県韮崎市)
    東海地区全体集会(岐阜県岐阜市)
    「沼隈」の民家再生運動と再生事例見学会(広島県福山市)
  • 事務局ニュース