情報誌「民家」

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2005年1月 1日 (土)

40号(2005年1月発行)

くど造りの茅葺き民家(福岡県浮羽町)
撮影=金井透

巻頭インタビュー
森を残して家を建ててほしい

画家・絵本作家
田島征三

 ぼくは終戦直後に高知県の田舎で子ども時代を過ごしました。そこで過ごした少年時代のことは、『絵の中のぼくの村』というエッセイに書いています。

ぼくは病弱だったので雨の日以外も寝ていることがあって、そういうときは寝ながら空想にふけっていました。天井板の木の年輪やシミが想像力をかきたててくれます。家全体が暗い大きな空間で、その闇の世界が、奥に何があるだろうかとか、どんなものが住んでいるだろうかとか空想の広がりを見せてくれました。

屋敷まわりの空間は、今の子どもたちの遊び場にはないですね。思い出してみると、家のまわり全部が遊びの空間でした。

最近は、里山が削られて住宅地になることが多いです。「森を守れ」と言っても、町で生活していてそこのフィールドを体験していない人には実感がわきません。「こんなに素晴らしいところを削るのか」という実感をもつには、そこに入って体験してもらうことが必要です。

森を残しながら家を建てるということをしてくれるといいのですが、まず全部木を伐ってしまうのです。家を建てる人や、土地を開発する人が、植生を少しでも残すように考えてくれることを願っています。(抜粋)

たしま・せいぞう

1940年、大阪府生まれ。高知県で幼少期を過ごす。絵本作家の田島征彦は双子の兄。多摩美術大学図案科卒業。1968年から東京・日の出町で自然と向き合う生活のなかで絵本や絵画、版画を制作する。現在は伊豆にて活動中。絵本に『ちからたろう』(世界絵本原画展金のりんご賞)、『ふきまんぶく』(第5回講談社出版文化賞)、『とべバッタ』(絵本にっぽん賞など)、『しばてん』など多数、エッセイ集に『絵の中のぼくの村』、『日の出の森をたすけて』などがある。

  • 「民家フォーラム2004」特集Part1
    • フォト・レポート 「白壁」と「棚田・茅葺き」の里に1100人が集う
    • シンポジウム「住まいのルネッサンス スローな衣・食・住の姿」
      基調講演 今、なぜスローライフか
        ニュースキャスター 筑紫哲也
      パネルディスカッション スローライフと民家再生  武富勝彦/安藤邦廣/柳本隆彦/宮本繁雄
    • フォーラムに参加して
  • 改善された文化財建造物に対する課税
  • 中越大震災が民家に問うもの 伝統構法の強さを検証する  長谷川順一
  • JAPAN2001 3周年記念リレーエッセー(1)シンポジウム報告書は私のバイブル  高口洋人
  • 日本の林業−山と木の話(2)すすむ人工林の荒廃 森林所有者のアンケート調査から  NPO木と遊ぶ研究所顧問 相川明
  • 民家再生事例 住みつなぐことへ思いを込めて 茨城県八郷町 T邸  吉田良一
  • 民家ネットワーク 春・夏・秋・冬
  • 「JMRA民家バンク」情報
  • シリーズ 民家の宿、民家の店 喫茶店「銀の匙」/貸室・茶房「葛飾区 山本邸」
  • JMRAイベント報告
    垂井宿の史跡巡りと再生民家お茶会(岐阜県垂井町)
    甲州民家集落探訪と民家再生事例見学会(山梨県塩山市上条集落ほか)
    現地再生見学会と交流会(茨城県つくば市)
    旧関善酒店見学とNPOとの交流会(秋田県鹿角市)
    結の蔵完成見学会(神奈川県鎌倉市)
    土蔵の解体と現地再生民家の見学会(山梨県甲斐市、北杜市)
    復元民家見学セミナー(北海道穂別町)
  • 事務局ニュース